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和気藹々とした雰囲気の中、「マイベストフレンド」とハイドシェックのいう吉村氏の司会で、昨日の大阪公演の紹介がなされる。すばらしい演奏であったという。特にすばらしかったのが、モーツァルトのソナタと、アンコールのヘンデルだったという。 「モーツァルトは、僕これで(聴いたのが)3回目なんですが、全部違っているんですよね。3回が3回とも違う。どれもすばらしい。同じ曲を同じ人が弾いて、全部違う。それが、マエストロの魅力である。昨晩のヘンデルもすばらしかった。「聴いていて涙が出てきた」という人もいた。『テンペスト』といった大曲は、それは論外ですばらしいのだが、ハイドシェックさんの魅力はそれだけではない。彼のレパートリーは、バッハ・ヘンデル・フォーレ・ドビュッシーと多岐にわたり、その多彩なレパートリーがそれぞれにすばらしいところにある。本当はそういったCDを出してもらいたいのだが、実現していない、残念なことである。今宵は、そういった多彩な魅力をたっぷり味わえる1時間ほどのプチ・リサイタルとなる、どうぞ心行くまでにご堪能いただきたい。」 こういう吉村氏に、ハイドシェックは、「「ダイスケ・ヨシムラ(上向きの手の動作)」、「ダイスケ・ヨシムラ(平行の手の動き)」、「ダイスケ・ヨシムラ(下向きの手の動作)」みな違う。」と、切り返す。同じ曲でも違う風に演奏できるとも、演奏する必然性があるとでもいうことなのだろうか。 つぎに、吉村夫人の姿を後方に認め、「ミドリ!」と、舞台へ誘う。現れた吉村夫人の手に、いとも優雅に接吻する。まぁ、紳士なんだわ。 そして、演奏が始まった。最初はバッハ、次にフォーレ、ドビュッシーが3曲。それから自身の手になる「ラ・マルセイエーズ変奏曲」---最初が公演でも弾いたグリーグ風、次にドビュッシー風、フォーレ風。それから、アンコールに、くだんのモーツァルトのソナタの一部。そして、「ラ・マルセイエーズ変奏曲」クープラン風、ラヴェル風。圧巻は、最後ベートーヴェンのピアノソナタ第二番の一部。うっとりするほど典雅なベートーヴェンであった。 残念なのは、ヘンデルがなかったこと。まぁ、いいや、わたしは相模湖で聴いたし。フナックドットコムに、ヘンデルの組曲1--3を発注してあるし。 どういういきさつだったか、吉村氏との会話に、ヘンデルの話が出たらしく(わたしは聞き漏らしてしまったのだが)、やにわにハイドシェックが、「ヘンデルの組曲は16曲あるんだよ。演奏に4日かかるよ」と、吉村氏にいう。CDを実現したいという話からだろうか。ちょっと詳細は不明。 「すばらしい演奏でした。今日はプライヴェート・リサイタルの趣の演奏会でしたが、僕は是非ホールでの演奏会を実現したい!つぎは是非コンサートをしましょう」と、吉村氏の言葉で会はしめくくられる。 本当に、是非吉村氏発案のコンサートが実現してほしいものである。それも、宇和島の再来のような、独創的なコンサートを。 宇野功芳氏は、宇和島シリーズの解説のなかで、「ハイドシェックにドビュッシーの『子供の領分』を弾かないか、とけしかけているのだが、彼はがえんじえないでいる。」と語っている。吉村氏の言うように、ハイドシェックの多彩な魅力を、アンコールの小品としてではなく、メインディッシュに味わってみたいものである。
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