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先走りになってしまうが、Burnetさんがお待ちかねと思うので、こちらの展覧会の報告を先に。 高知から羽田について、富士宮行きのバスに乗るまでの待ち時間を利用して、大丸東京店の「華麗なるハリウッド映画衣装展」に行く。 最初に展示されているのは、ご存知「マイ・フェア・レディ」で、オードリー・ヘップバーンが着用した白いドレス。アスコット競馬場のシーンで着用された、あまりにも有名なドレスである。袖口と裾の優雅なレース使いに加えて、ドレス身生地にほどこされた刺繍が、映画や写真ではわからない、立体性を持って迫ってくる。うっとりするほど、すてきなドレス。 展示作品の中では最も古い、「令嬢殺人事件」では、白と黒の無彩色のネック・トップのセクシーなドレス。当時は白黒フィルムだったため、「白は八レーションを起こすので、うまく写らないから、別の色にするように」といわれたデザイナーのエイドリアン氏が、素材から試行錯誤を繰り返して写りこみに成功した、デザイナーの意地の結晶みたいなドレス。 ジュリー・アンドリュースが「スター」で着用した黒の地に白いくちなしの花の刺繍のあるドレスは、近づいてみると、身生地は無数の黒いスパンコールがちりばめられている。 「風とともに去りぬ」で、ヴィヴィアン・リーが最初の登場シーンで着た緑の草木模様のドレス。これは、オリジナルは散逸してしまって現存しないので、復元されたものが展示されているが、映画のシーンを彷彿とさせる、雰囲気のあるどれす。また、クラーク・ゲーブルの衣装も併せ展示されていたが、チャールストンから来た羽振りの良い男、という役柄にふさわしい、仕立ての良さの際立ったスーツで、映画の画面とはまた違った印象。近くに寄らなければ見えてこないものに神経を注ぐデザイナーの矜持を見る思いだった。 「偉大なるギャッツビー」のミア・ファーローのアール・デコのドレス。レース使いのステキさを心ゆくまで堪能した。 「タイタニック」の、有名な舳先のシーンのディカプリオとウィンスレットの衣装。映画では夕暮れ時のシーンだったため、細部までは映されなかったものを、間近にゆっくりと見ることが出来た。 その他、ドレスだけではなく、共演の男優の衣装や、スチール写真、映像、衣装デザイン画等が会場あまねく展示され、すばらしい映画の世界に浸ることが出来た展覧会で、時間がいくらあっても足りない、飽きず眺めていたい想いだった。 残念なことに、本展覧会の図録はなく、また展示品の絵葉書もない。また、諸権利の関係で、、日本でこの衣装が展覧されるのは、本展覧会が最後であるという。 同展覧会は、3月13日まで。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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