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カテゴリ:読書
NHKの木曜時代劇で、7月に佐伯泰英さんの「居眠り磐音シリーズ」が放映されると、出版元の双葉社のホームページでおしらせがあり、このシリーズのファンであるわたしは、今から楽しみにしている。 http://www.futabasha.co.jp/?page=iwane_tv_ad 390万部を売り上げたこのシリーズは、文庫書き下ろしで現在21巻まで出版されている。 ストーリーは、豊後の小藩の中老の息子で、将来を嘱望されている坂崎磐音が、江戸で学んだ学問を藩政改革に役立てようとの青雲の志を胸に、親友二人と共に江戸遊学を終えて帰藩するところから始まる。 ところが、一瞬の暗転!親友の一人が、妻の不貞の讒言を受け、妻を成敗する。その妻はもう一人の親友琴平の妹であり、磐音のいいなずけ奈緒の姉であった。この処断に怒った琴平は、親友を斬り、立てこもる。心ならずも、死闘のあげく琴平を上意討にした磐音。今はもう、奈緒と結ばれるべくもなく、傷心を抱え、故郷を出奔し、江戸深川に居を定め、気ままな浪人暮らしをはじめることになった。 しかし、この男、風雲を呼ぶ性質とみえ、向かうところ、様々な事件が待ち受けていて、それを通じて様々な人々と知り合っていく。さらには、故郷での出来事は、実は改革を望まぬ勢力がたくみに仕組んだ陰謀であり、それが暴かれていく中で旧藩との係わりも続いていく。 「江戸双紙」という副題のとおり、深川の長屋住まいのうちに、これでもか、と様々な事件がテンポよく展開し、収まり、江戸情緒と共に、爽やかなカタルシスを得て物語りは進んでいく。 なによりわたしが感心するのは、磐音が生計を維持する方法として、「うなぎ裂き」を仕事にもつことである。一日百文の手間賃と朝ごはんがその対価であるが、剣の達人として設定されている磐音が、その才能を発揮できるのに無理のない設定となっている。長屋の生活も生き生きと描写され、また、事件を通して両替商の今津屋と知り合うのだが、この商売を通じて武士階級の抱える問題に経済面から迫っているのも新鮮な視点である。 暑い盛夏の7月に爽やかな時代劇を見て爽快な思いになるのが、今から楽しみである。
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Last updated
2007.03.31 15:12:29
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