|
カテゴリ:音楽
9月18日に行った天満敦子ヴァイオリン・リサイタル 前半は地方公演を意識してか、軽めの演目が並ぶ 天満さんの技量には変わりはないものの、その軽さにちょっと不満 特にエルガーの「愛のあいさつ」は、大好きな曲だけに テンポが早すぎて、もうちょっとしっとり演ってもらえないかと大いに不満 でも、楽しそうに音楽空間を闊歩するさまに 次第次第に惹きこまれていきます。 いでたちも、どことなく辻音楽師の風情 ほんとうに、この人はこんな風にフィドラー風になってもサマになる こぶしを利かせたクライスラーの「愛のかなしみ」なんて、めったに聴けるもんじゃない 都はるみさんとジョイントコンサートしたらすばらしいんじゃないか、って 勝手に思ったりしました。 そして いよいよ前半の最終曲、ヴィターリのシャコンヌ 哀切きわまりないこの曲が実はわたしは大好きで 天満さんのCD「BALADA(バラーダ)」で、繰り返し聴いたものです。 残念ながらYou Tubeには載っていないので、 曲想の似た二曲を貼り付けておきますね。 お聴きになって関心がおありでしたら、ぜひヴィターリも聴いてみてください。 天満さんのヴァイオリンで好きなのは その圧倒的な音量、高音域の美しさに加えて、低音部の音の響きなんです。 音というのは決して単独ではない、必ず倍音などの諸要素が含まれています。 特に絶対音感で虚空から音を紡ぎ出していく弦楽器は その音への感覚が弾き手の技量を現しているのではないでしょうか。 天満さんの低音部は、その挟雑音までもが魅力的な音に仕上がっている ちょうど、エメラルドが、そのインクルージョン(挟雑物)を ひとつの輝きに包み込んで美を形成しているような そんな美しさがストラディヴァリのもうひとつの魅力である と、初めて天満さんの演奏を聴いて以来、わたしは思っているのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|