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カテゴリ:読書
縁起物の一富士二鷹に倣ったわけでもないが、 富士山の話題の次は鷹 佐伯泰英著の「居眠り磐音江戸双紙」の最新刊「更衣(きさらぎ)の鷹」が 上下二巻同時刊行ということで、早速書店に行く NHK土曜ドラマ「陽炎の辻」の原作本である 物語はいよいよ佳境に入り、最大のクライマックス十代将軍家治の世子家基の 鷹狩における不審死を思わせる題名 これは何を差し置いても読まねばーーーと、早速GET 同じく磐音ファンの娘と奪い合うように読了 物語は大きな山場を迎え、主人公たちにも大きな転機が訪れ 以下の困難を思わせる幕切れで これからの展開が待たれるところである と その翌朝、何の気なしにめくった朝刊に、作者の佐伯さんのご尊顔がーーー なんと、熱海在住の氏が、岩波書店創業者岩波茂雄氏の別荘を購入したという 岩波茂雄氏が庭にあったクヌギの木を残すことにこだわったことから、 「惜櫟荘(せきれきそう)」の名がついたこの別荘 名建築家として名高い吉田五十八の設計によるもので すべての部屋から海が見える設計だそうである。 新年2日にNHKでこの建物を児玉清氏が訪れ 佐伯氏にインタヴューする番組が放映されたそうであるが その景観がすばらしかったとのこと、残念ながら見逃してしまった。 佐伯さんは日大藝術学部を卒業後カメラマンとしてその人生をスタートさせた スペインで闘牛の魅力に取り付かれ、なんと移住までしてしまった。 その後帰国して、ノンフィクションや現代小説を書くも、なかなか芽が出ず 56歳のとき、出版社の編集さんから勧められて時代小説を書くや これが大当たりして、一躍人気作家に 現在は磐音シリーズを始め7つのシリーズ物を抱える人気作家 「月刊佐伯」と異名をとるほどの多作ぶり 磐音シリーズは32巻の現在までで、なんと1000万部を数えると言う。 その佐伯さんが 「同じ出版に生きる者として、惜櫟荘を守りたい 往時の姿に戻したい」と完全修復を決断 古びた部分を大切に、歴史をまとったままの復元を目指す、とのこと 憲政の神様として名高い尾崎行雄翁が長らく滞在したり 多くの文化人との縁の深いこの建物が 完全修復なった暁には、熱海の新名所がひとつ誕生するであろう。 今から楽しみである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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