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今は人気時代物作家となった佐伯泰英氏だが 売れない(失礼)時代に、スペイン滞在の経験を生かし いくつかのスペイン物のミステリーを書いている そのひとつ「眠る絵」は 長崎県立美術館に寄贈された駐スペイン外交官だった 須磨弥吉郎氏のスペイン美術コレクションにまつわるものだった 実際、須磨氏は、「東機関」というものを組織し 第二次世界大戦中、日本で入手しにくくなったアメリカ関係の情報を スペイン経由で入手しようという活動に携わった人物である その彼が何を思ったか 膨大な数のスペイン絵画を収集し、スペインの地に蓄えていたという 日本の敗色の濃いことを察知し 活動費として与えられた金銭を、絵と言う形にして後日の備えとしたのかもしれない しかし、すべては歴史の闇の中に消え去り 絵だけが残された そのスペイン絵画コレクションがたしかに長崎県美術館に存在するが 実際に須磨氏が収集したコレクションはこの何倍にも当たると言われている。 このたび、その縁の地、長崎とスペインを結ぶえにしに導かれ 長崎県美術館開設5周年記念展として プラド美術館所蔵のエル・グレコ「聖母戴冠」が同美術館で公開される 日本に2点しか所蔵のないエル・グレコを目の当たりにする またとないチャンスであり また、歴史の襞に埋もれた人々に 思いをはせてみることもよいのではないでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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