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2007年に訪れたフィレンツェ ほぼ半日のフリータイムだったが 目くるめくイタリアルネッサンスの息吹に触れる貴重な時間だった。 フィレンツェの象徴ドゥオーモ(花の聖母教会) その傍らに立つ美しいひとつの鐘楼がある
近代絵画の父と言われるジオットの設計になる鐘楼 その扉はミケランジェロをして「天国の扉」と言わしめた 旧約聖書の10の場面が描かれている美しいレリーフで ルネッサンスの金細工家ギベッティの最高傑作である この扉が1990年にフィレンツェを襲った大洪水により傷ついた それを修復しようと申し出たのが なんと日本人茂登山長市郎氏だった 氏は、長年ブランドものの輸入を手がけ エルメスやロエベ、セリーヌなどを日本に紹介し また、これまで他国への出店を拒んできたブランドGucciを Gucciの店舗に日参することでオーナー家の信頼をかちえ 日本で始めてGucciの代理店となることとなったなど 欧州のブランドのよさを日本に定着させた功労者である。 その功労者が自分が今日あるのは、イタリアを始めとする欧州の文化のおかげ その文化に恩返しをするため、と 壊れた扉のレリーフのレプリカを作成し、寄贈したという このエピソードは、幸田真音さんの「舶来屋」という小説に出てきた。 フィレンツェといえば、修学旅行中の日本の高校生が ドゥオーモに落書きした事件があった この茂登山さんの志に比べ、なんと情けないことであろうか。 日本の教育もつまらない暗記中心の受験教育などやめ このような志のある日本人の事跡を紹介し われわれは海外との貿易無しには国が成り立たないのであるから 他国の文化を学び尊重すること また自国の文化を学び、自負をもって、外国とつきあっていくこと そのための教育をしていかなければ 将来国が滅びる瀬戸際までいまの日本は来てしまっているのではないだろうか。 昨日の9党首討論で教育の問題が出ず 消費税にかかる議論だけが先行したのは嘆かわしいことである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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