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子供の頃の原体験から、彼女の裡(うち)に「変容」というものが宿る それは、ひとつには、卒業制作として結実するが その後の彼女の画業として再肉化(リインカーネーション)を遂げていく それが、繰り返し描かれる幽霊や腑分け、九相図となっていく オヴィディウスの「変身物語」や上田秋成の「夢応の鯉魚」 鶴女房の伝説やカフカの「変身」など 古来より変容(メタモルフォーゼス)への情熱は数多く語られている ニンゲンにとって究極の変身は「死」であろう 「九相図」は、その究極の姿 人が死してのち、死後硬直、腐敗を経て分解されていくサマを描くものである。 さらに、その後のすがた(?)としての幽霊 繰り返し描かれる松井冬子の世界は、この幼児体験における「変容」の 再肉化に他ならない そしてまた、この再肉化が理性的に意図を持って行われるところに 彼女の絵の魅力があると思われる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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