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しげやんさんから、松井画伯の傾向について同性としてどう思うか、との お問いかけがあり、一部わたしの感想とも重なるので 以下に記したい 実は、ぼうっと展覧会の会場を一覧 絵そのものや絵の解説や9つに分かれた会場コメントなど一巡し あぁ、これは、彼女のテーマはメタモルフォーゼなんだな、と思い至り 逆の順路をたどり、彼女の処女作「世界中の子と友達になれる」に戻り 藤の背景となっているかと思った下方の黒く変質している部分が スズメバチが逆向きに連なっているのだとわかり ひえぇぇ---!うへぇ!と感じたしだい それを、原点と捕らえたら、すべての絵に納得がいった経緯を 長々と述べたのが前の2回分 で ワタシが、この絵たちを好きかと問われたら、ちょっと躊躇してしまう。 たしかに、女性の置かれている劣位さや 暴力行為や陵辱などに苦しむのも圧倒的に女性が多いのも確かだ。 しかし、その傷や恐怖を跳ね除けるのに、ここまでの自傷行為が必要なのだろうか? ひとが生きていくという行為は、ここまでの暗さが必要なのだろうか、と思ってしまう。 わたしとしては、やっぱり、遠藤彰子さんの過剰・豊穣な世界が好き。 それは、わたしが「陽の変容」ともいうべき受胎・出産を経験しているからだろうか。 異なる生命を内包しているという不思議な感覚 日ごとに自分の体内で、受精卵-胎児-赤子と変容を遂げていく存在 そして、出産後は、まったく別の人格として歩み始める存在 それは、人という種の連綿と続くDNAの連鎖の歴史でもある そこにおいて、人は始めて世界とつながりあうことが出来るのではないのか? それはまた、「種」ということで、異属である男性とのつながりをも意味する そんな世界をわたしは生きている。 松井画伯は、自分の知っているもの(女性と生き物)のみを描くといっているが まだお若いのだから そんなに考えを限定することもないのに、と思ってしまう。 会場当初に、ボルゾイと思しき白い大型犬の絵があり 竹内栖鳳を思わせる筆致に驚いた 素晴らしい画力を持つこの画家が 「陰の変容」である「死」や「冥界」のイメージから「陽の変容」である 俗世の生に気づいたときを見てみたいと思う。 ☆ ☆ ☆ しげやんさん、こんなんで、わたしの見解になったでしょうか? 何はともあれ、久しぶりに知的興奮を覚えた展覧会でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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