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カテゴリ:絵画.・アート
山口県出身の画家に香月泰男という方がいる。 東京藝大を卒業後 、高校の美術教師をしながら絵を描いていたが、 昭和17年招集され、満州に配属後ソ連軍によりシベリアに2年間抑留された。 戦前の作品は光あふれる色彩豊かなものであり、 帰国後しばらくは以前のような画風の作品を書いていたが 1950年代末突如炭と方解末を使った材質感あるモノクローム画面の 黒を基調とした画風の絵を憑かれたように描き出す。 シベリアシリーズと名付けられたこの絵は 黒と黄土色の画面に無表情な人の顔や 重荷を背負う人、亡くなった同輩を弔う風景 、移送される絶望的な表情の人々 自分たちの運命がいかんともしがたいことを告げるかのような 凍てついた星々を瞬かせ、黒と黄土色の世界にふと姿を見せる青い空 苦しみなどという言葉では表せない世界を描いている 慟哭と鎮魂の 絵であるが シリーズの一つに「朕」という題名があるように 自分をこのような世界に送り込んだ権力に対する怒りの気持ちも込められている 図らずも、山口県は時の総理の故郷であり 来る12月15日に はロシアの大統領山口県に連れてくるという 「温泉に一緒に浸かって 」など腑抜けた態度ではなく 香月のシベリアシリーズのある山口県立美術館に案内し 二人でシベリアシリーズを鑑賞するくらいの骨を見せてほしいものだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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