カテゴリ:新潟観光日記(その他)
さて問題・・・
これがどかか分かりますか? 1年半ほど前全国から非難を浴びたとある企業のサービスホールです・・・ まあ前回の日記読んでればわかるかな?・・・ この写真はマークとキャラクターを隠しておりますので・・・ これで分かりますね、 ここは東京電力サービスホール・・・ 世界最大の原子力発電所「柏崎・刈羽原子力発電所」の敷地内にあります 「柏崎・刈羽原子力発電所」は原子炉7基を有し、世界最大の総発電量を誇る原子力発電所です 原子炉は1号機~3号機までが東芝製沸騰水型軽水炉、発電量110万kw 4・5号機が日立製沸騰水型軽水炉、発電量110万kw 6・7号機が日立・東芝・GE三社合同開発の改良型沸騰水型軽水炉、発電量135.6万kw 合計821万2000kwの発電量を誇ります。 この原子力発電所、実は先の大震災の前に一度地震の洗礼を受けているんですよ。 大きな事故こそ未然に防げたものの、実はこの時も「想定外」の事態は発生しているのです。 *以下の写真は同施設にある1/5スケールの原子炉模型です 2007年新潟を襲った中越沖地震・・・ 原発のある刈羽村・柏崎市の震度は6強、 運転中の原子炉の全ては緊急停止、運転を管理する中央制御室では強い揺れが続き計器を確認できない状況が続きました、 その後3号機建屋で火災が発生、消火栓は地震の影響でほとんど水は出ず、自力での消化をあきらめるという事態となりました、 さらに3・4号機の炉心を冷却する2つの装置のうちの一つが停止、1つの装置にて2つの炉心を冷やす判断を迫られる事態となりました、 さらにさらに6号機使用済み核燃料プールの放射性物質を含む水が電線を通す管をつたって下の階に漏洩、その一部が外部に排出されるという事態も発生いたしました・・・ 「柏崎・刈羽原子力発電所」の耐震強度設計の元となる予測加速度は3号機タービン建屋1階で834ガル、地下3階で239ガル、原子炉建屋付近で193ガル、 ところが実際に発生した中越沖地震では、3号機タービン建屋1階で2058ガル、地下3階で581ガル、原子炉建屋付近で384ガル・・・ 幸いこの時は現場の指揮にあたった東電社員、消火にかけつけた地元消防団の活躍もあり大事には至りませんでした、 その後国際原子力機関(IAEA)が調査協力の用意があると表明しておりますが、日本政府はIAEAの調査を当面見送るとの意向を示しました、 これに対し泉田新潟県知事はIAEAの調査が必要であるとの考えを独自に表明、翌日、原子力安全保安院はIAEAの調査を受け入れると発表いたしました、 結果として想定外の規模の地震であったにもかかわらず被害は少なくIAEAは事故レベル「0」の報告を行っています、 その後行われた2度目の調査で、「安全上重要な機器などに地震による有意な損傷は認められなかった。」「今回の地震は、想定された地震動のレベルをはるかに上回っていたが、安全上重要な機器は予想以上にいい挙動を示していた。こうした内容を国際的な安全基準に反映させたい」「原発には安全余裕度が設けられていて、今回の地震による原発の揺れも許容できる範囲内だった」とのコメントが発表され、日本の原発の耐震強度は高く評価されました、 結局「想定外の規模の災害」が起きたことに対する問題は議論されることなく終わったわけです、 今にして思えば、この時にもっとこの想定の甘さということは議論されるべきことだったのでしょう・・・ その後この「柏崎・刈羽原子力発電所」の稼働を容認する泉田知事の説明に原発立地県の知事の苦悩がよく表れていると思います。 「原子力発電に関しては、万が一の事故の際には大変大きな影響があること、また、放射線が見えないことや長期の影響の有無についての不安等もあることから、その立地に限らず、原子力発電そのものに対する疑問も呈されています。このため、原子力発電所には、特に高度な安全性が求められることは言うまでもありません。 しかしながら、この世で、人が造るものに99%安全なもの、完全な無欠のものは、存在しないということも事実であります。原子力発電所も人が造ったものである以上、完全無欠であることはあり得ず、行政が完全な安全性を保証することはできません。 一方で、柏崎・刈羽両地域を中心として、多くの地域住民の日々の暮らしが柏崎刈羽原子力発電所に直接・間接に依存して成り立っている現実もあります。地域社会からは、中越沖地震からの復興のため一日も早い原子力発電所の再開を望む声が寄せられています。地域に責任を持つ柏崎市長及び刈羽村長からも同様の申し入れがありました。 "この間、原発に反対なら電気を使うなという意見もいただきました。極論を待つまでもなく現代日本の生活は電力がなければ成り立たないことは誰の目にも明らかです。長期的なエネルギー政策はどうあるべきかは別にして、当面は、無資源国日本において、原子力発電所なしに現在の生活に必要なエネルギーを供給し続けることは困難であります。加えて、地球温暖化問題の深刻化を考えると大量に二酸化炭素を発生をさせる火力発電は、早く抑制するべきとの指摘も妥当性が高いものがあります " ~中略~ 以上により、私は、起動試験から営業運転に移行するに際して、技術委員会の審議を経ることなど一定の条件を付した上で、東京電力からの運転再開申し入れに同意をしたいと考えております。」 安全を保障できかねるものを容認せざるを得ない知事の苦悩が伝わってきませんか?、原発立地県の苦悩というのはこういうものなのですよ・・・ 今回の東日本大震災を受け 東京電力は15mの防潮堤を設け津波に対する対策を行うと発表しております、 従来日本海側には大きな津波は無いとして津波対策は行われてこなかったのですね、 泉田新潟県知事は「柏崎・刈羽原子力発電所」の再稼働について、 「まだ再稼働を議論できる段階ではない」と再稼働には否定的見解を示しています。 現在断層の予測技術が進歩する中で、「活褶曲」という地層の下に断層があるということが判明しつつあります、 地球観測衛星「だいち」の合成開口レーダーのデータを分析した結果として「柏崎刈羽原発は活褶曲の真上にあるようだ」と発表されています・・・ 知事の苦悩はまだまだ続きますね・・・ 今日は東京電力サービスホールのお話・・・ ではまた・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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