テーマ:いいもの見つけたよ(20219)
カテゴリ:食べログ(その他)
ブロ友さんからお中元が届きました。
ふやき御汁 宝の麸。。。 慶応元年創業の加賀麩の老舗「不室屋」の商品です。 sw_yoshimaruさん、ありがとうございます。 ちょっと面白いものでしてね・・・ こんな最中みたいのをお汁椀に入れましてね。。。 崩してお湯をかけると・・・ 麸の吸い物ができるというインスタントスープみたいなものです。 しかしこのインスタントスープには加賀料理の伝統と母の愛が詰まっているんですね。 加賀麩の老舗「不室屋」5代目の時のお話です、子供たちの見識を広めようと、海外に留学させました、遠い外国での暮らし気になるのは食べ物の事、 麸焼きの中にたくさんの乾燥野菜と加賀伝統の飾り麸を詰め、加賀料理の味を生かした粉末出汁を持たせた、遠い外国でも手軽に栄養たっぷりの故郷の味を・・・ これが遠い外国で手軽に美味しいお吸い物ができると評判を呼び、商品化されたのが「ふやき御汁 宝の麸」、母の愛が生んだのが不室屋の定番商品です。 不室屋は加賀麩の老舗、長い年月を伝統の加賀麩と共に生きてきました。 さて、グルメ時代の昨今、新しいものが喜ばれ古いもの、変わらないものは切り捨てられる時代。。。 ややもすると、変わらないことは怠けてる、老舗の看板に胡座をかいているなどと思われがちです。 本当にそうでしょうか?、変わらないことは努力していないことなのでしょうか? 麸の材料は小麦です、蕎麦の材料は蕎麦粉、団子の材料は上新粉です、粉は当時のものとは違います、 当時と違うものを使って当時と同じ味を出すのがいかに努力のいるものか・・・ 古い技術、古い農法が味という面において現在の最新の技術を駆使したものより劣ってるわけではありません、 かつて粉を引くのは水車と石臼で行われていました、これが電気に変わり早く大量に粉を作れるようになりました、 では石臼水車挽きはモーターで挽いたものより味が劣るでしょうか? モーターで高速で粉をすりつぶすと、熱が出ます、粉は煮えて変質する、粉を挽くのに最も優れた方法の一つが石臼水車挽きです。 味は石臼で挽いた方が良いのです、現在の技術は効率を重視します、 効率と引き換えに切り捨ててしまった伝統の中にも大切なものがたくさんあるんですね。 日本人はもっと伝統を大切にするべきですね、切り捨ててしまった伝統はもはや元には戻らないものもたくさんある。。。 長い年月をかけて先人たちが培ってきた伝統の味を「古臭い」「ださい」と切り捨て、パッと見真新しい洋食や、創作料理をありがたがる。 なんと愚かなことでしょう、我が国の食文化を大切にできない人間が他国の文化の真髄など理解できようはずがない、 それは一時の流行り、流行がすぎればもう見向きもされない、流行りが過ぎ去ったあとに残るのはもはや取り戻すことのできなくなった伝統の残骸。。。 大地に根を張り脈々と受け継がれてきた伝統をそのような浮草のようなものと引換えに切り捨ててしまう。 はたしてこれが「グルメ」でしょうかね・・・ 古きを温ね新しきを知る・・・ 伝統を重んじ、受け継ぎ、受け渡していくこと、根を大切にすれば花は咲くもので、 このようなインスタントスープを作っても、そこには加賀料理と加賀麩の伝統が息づいていくもの。。。 古きを知り、学び、その先にあるものが新しきもの。 古きを知らず、土台のないところに何を積み上げたところで所詮は砂上の楼閣、 一雨降ればたちまち流れてしまう根無し草。 グルメ時代などと浮かれておってもその実大半は砂上の楼閣、海の向こうに蜃気楼を見ているようなもの。 幻の中で現を見失っているのが今のグルメ時代というもの。。。 お礼の日記のつもりがすっかり小難しい話になってしまいました。 まあこれがひねくれ者ということで・・・ 美味しいお吸い物ありがとうございます。 今日はふやき御汁「宝の麸」のおはなし・・・ ではまた・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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