テーマ:食べ物探検(128)
カテゴリ:食べログ(その他外食編)
ちょっと関東に用があったので・・・
蕎麦を食いに行きました、 今日の写真は全部スマホなのであんまり綺麗でないです、ごめんあそばせ。。。 ちょうど時期は新蕎麦の時期、どうしても食いたい蕎麦があったのです・・・ これは神田須田町の蕎麦屋「神田まつや」です。 明治17年創業の老舗で、大正14年に建てられた木造二階建ての店舗そのものが東京都の歴史的建造物に指定されています。 まあ東京の蕎麦屋の老舗の一つです、 私はこの「神田まつや」の蕎麦が好きでしてね、東京は来る機会も減り、なかなか来ることもなくついに10年が経ちました。 今回ちょうどこの時期に来る機会があり、なんとか食いたいものを思うていたのがここの蕎麦・・・ 蕎麦にはいくつか系統があります、 一つは蕎麦の実の中心だけを使った更科系、麻布の布屋太兵衛や更科堀井が有名ですが、一番粉を中心とした更科系の蕎麦は混ぜものが多く、蕎麦の風味が感じられないのであまり好きでないです。 一番粉はそれだけではまとまりにくく小麦粉なんかのつなぎを多用します、堀井や布屋太兵衛のような名店ならまあ美味い蕎麦を食わせますが、できの悪い素麺のような蕎麦が出てくることも多いですね。 もう一つは蕎麦殻まで挽きこんだいわゆる挽ぐるみ蕎麦、田舎そばなんかに多いのですが黒っぽい色をして風味が強いですが雑味も強い・・・ で最後が私が好きなの藪系の蕎麦、固い鬼殻はむき、中の甘皮だけを残した抜き実の挽ぐるみです、「神田まつや」は藪の系統を受け継いだ蕎麦屋です。 風味が強く、雑味も少ない、蕎麦の理想形の一つと思います、ただし時期に左右されます、新蕎麦の時期はよいのですがどうしても年が明け春になると風味が落ちる、 なので蕎麦は蕎麦の時期に食うのが一番良いわけです、特にここは打ち立て茹でたてが身上ですのでその差は歴然・・・ さて・・・ 酒を頼んだらまずは出てきた蕎麦味噌(蕎麦の実と味噌を混ぜ合わせたもの、店により味が異なります)で頼んだアテが出てくるのを待ちましょう。 蕎麦屋で酒を飲むためには暗黙のルール、作法というものがあります、 アテは頼み過ぎない、蕎麦屋のアテは蕎麦の具、頼みすぎて蕎麦屋の具を減らすのは無粋、 一品か二品にしておきましょう、蕎麦屋は飲み屋ではないのです、 ちなみに私はこの焼き鳥だけです。 幸いなことに老舗の蕎麦屋には名物の美味いアテがある。 「上野の藪」なら玉子焼き、「神田の藪」なら穴子といった具合です・・・ この「まつや」の名物は焼き鳥です。 焼き鳥もかしわ蕎麦の具、蕎麦屋のアテは海苔にしろ板わさにしろ蕎麦の具、頼み過ぎてはいけません、 それにどうせ後で蕎麦を手繰るんだから・・・ それともう一つ、蕎麦屋の仕事は蕎麦打ち、蕎麦切り、それに汁、揚げ物は専門ではありません、 天ぷらなんかを頼む人も多いのですが、天ぷらを食いたいのなら天ぷら屋のほうがいいですよ・・・ 天ぷらは本来専門外、昔なら天ぷらは仕入れということが多かったようです、 まあ、蒲鉾や焼き海苔は仕入れですのでそれと同じ感覚ですね。 今は仕入れということはないのでしょうが、老舗の蕎麦屋の天ぷらは無駄に高い・・・ まあ天ぷらの油は汁の味を濁らせ、蕎麦の風味を殺しますので老舗で天蕎麦はやめた方が良いでしょう。 どうしても天ぷらが食いたいのなら若干高いですが天ぷらは別に頼みましょう。 さて・・・ アテを食べたら蕎麦を頼みます、 まあ最初に頼んでおいて後で持ってきてくれるように言っておけば手間がなくて良いでしょう、 老舗の蕎麦屋は横柄だというイメージもありますがまあそれは店によります・・・ 「神田まつや」は狭い店内ながらもアットホームな雰囲気と思います、 ただし相席は仕方がないので我慢しましょう、店内が狭くて混むということもありますが、 本来蕎麦や寿司などというのは庶民の食い物で屋台なんかで提供されていたのがその発祥です。 そんなにのんびりと食うものではないのですね、 それでもそんなに混んでいる時間でなければ席は分けてくれますし、一人客でもなるべく他の客と離して案内するようにはしてくれます、 まあこのあたりはお店の人に任せてしまいましょう・・・ さあ蕎麦です・・・ 更科の甘汁、藪の辛汁などと言いますが、藪系の蕎麦屋の汁は濃い、ここ「神田まつや」の汁は飲めないほど辛くはありませんが、中には醤油か? と思うほど辛い汁のところもあります、これはつけ汁も薬味の一つという考え方で、どっぷりと汁につけるのでなくて蕎麦を7分通りつけたらそのまま食うのですね、 まあ刺身と醤油の関係だと思っていただければわかりやすいかと思います、 とはいえこの汁が蕎麦屋の売りの一つで、実に手間がかかります、まともな蕎麦屋のつけ汁は数週間から一月ほどかけて作ります、 「神田まつや」のそばつゆは鰹節の風味が良く効いた実に美味いものです、 まあそんなに辛くないといってもやっぱりかなり濃いですのでどっぷりと汁に蕎麦を入れるのはやめましょうね・・・ 時期は秋、新蕎麦の時期です、この時期の蕎麦なら葱も山葵も一切不要、汁もつけ過ぎては蕎麦の風味を損ないます、 もちろん刻みのりなど蕎麦の風味を損なうだけで「もりそば」で良い・・・ この「まつや」は鴨南蛮とカレー南蛮も絶品と言われていますが、まあそんなものは時期外れの時に食うもので、鴨やカレーの風味と新蕎麦の淡い風味とどちらが勝つか・・・ 蕎麦はあくまでも蕎麦を美味く食うものです、蕎麦屋もそのことに神経を使います、この時期は「もり」です。 老舗の蕎麦屋は高いというイメージをお持ちの方も多いでしょうがこれも店によります。 「神田まつや」の「もりそば」は650円です・・・ 高いか安いかの判断はその人の価値観によりますがこの味でこのお値段なら十分に安いと思いますよ、 飲んで食っても二千数百円です(焼き鳥800円・酒700円) 十年ぶりに来てみましたが、十年前と何一つ変わることがない美味い蕎麦でした・・・ さあ蕎麦湯でそばつゆを飲んだら帰りましょう、長居は禁物、無粋です、食ったらとっとと出る、これも蕎麦屋のマナー・・・ ではご馳走様でした。。。 今日は神田須田町「神田まつや」のお話・・・ ではまた・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[食べログ(その他外食編)] カテゴリの最新記事
|
|