テーマ:気の向くままに 史跡散策(45)
カテゴリ:新潟観光日記(社寺仏閣編)
さて今日は弥彦神社のお話です、
毎年恒例の菊祭りが終わり、これまた毎年恒例の初詣・・・ 実はこの間のこの時期に訪れることはあまりありません。 弥彦神社は越後一宮、御祭神は天香山命、 この弥彦神社は明治維新で生まれた国家神道の影響を受けず独自の伝統を守り抜いた古社の一つです。 宮中行事である鎮魂祭を行う数少ない神社の一つです、鎮魂祭というのは本来太陽神天照大神の子孫であるとされる天皇の魂の活力を高めるために行われた儀式で、 太陽の活力が最も弱くなる冬至の時期に行われるのが一般的ですが、弥彦神社では年2回4月1日と11月1日に行われます。 さて戦前戦中の靖国神社について「天皇を神格化」して戦争に導いたなどと言われることがありますが、実は天皇を神格化したのは靖国神社ではありません。 日本の神道そのものが天皇を神格化しており、明治維新で生まれた靖国神社が天皇を神格化したわけではありません、 まあその辺のことは「古事記」や「日本書紀」の天孫降臨の部分を読んでもらえばわかります、天皇家というのはもともと神道の頂点の家柄で、 天皇家は天照大神の命により葦原中国を統治するため高天原から地上に降りた「天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命」の子孫ということになっています。 これは靖国神社が勝手に作った話ではなく「日本書紀」や「古事記」に書いてあることです。 なので古社であり国家神道の影響をほとんど受けなかったこの弥彦神社でもこのような儀式が存在するわけです。 日本の神社で天皇家を軽んずる神社というのは実は全くと言っていいほど「無い」のですね、 これは国家神道の影響を受けたかどうかに限りません、神道そのものが天皇家と深い結びつきがあるのですね。 まあそういう家柄だからそこ担ぎ上げる神輿として丁度良かったとも言えますね。 これは境内にある摂社・末社です、天香山命の後継者たちが祀られています、 第一代、天五田根命(武呉神社)) 第二代、天忍人命(船山神社 ) 第三代、天戸国命(草薙神社 ) 第四代、建筒草命(今山神社 ) 第五代、建田背命(勝神社 ) 第六代、建諸隅命(乙子神社) ちなみに妃神の熟穂屋姫命は弥彦山の山頂、妻戸神社 に祀られております。 そのほかに近畿の著名な22柱を祀った二十二所社 、京都の著名な8柱を祀った八所神社 、大己貴神ほか10柱の神を祀った十柱神社があります 十柱神社は江戸時代中期の造営で国の重要文化財に指定されています。 さて弥彦神社の御祭神「天香山命」は・・・ 天照大神の孫神である饒速日尊と天道日女命との間に生まれた神様とされています。 饒速日尊は神武天皇の神武東征において抵抗し敗れた長髄彦が奉じる神で、その後神武天皇に帰順して忠誠を誓ったと言われています。 この饒速日尊の存在は神武天皇の神武東征より前に大和に君臨していた王権が存在する証拠として問題視されています。 まあ日本を統治した最初の神である可能性があるということですね、 これは境内にある「火の玉石」 別名「重い軽いの石」といいましてこの石を持ち上げることができれば願い事がかなう、持った時に重ければ願い事がかなうのは遠い、軽ければ願い事がかなうのは近い と言われています。 弥彦神社のパワースポットの一つですね。 こっちは鶏舎・・・ こっちは鹿舎・・・ 天香山命はその後、勅命を受け越国を平定、開拓に従事したと伝えられています、 勅命ですので当然命じたのは天皇です(神武天皇)、神に命令を出せるのは神だけで、神道が天皇の祖先は神だと断言しているのがよく分かる一文ですね。 国家神道などというものが浸透する前からこの国には天皇は神の子孫であるという認識が既にあったということです。 これは境内にある土俵、まあ相撲を神に奉じるためのものですね。 写真はありませんが他に舞を奉じる舞殿もあります。 まあ古い神社ですのでね・・・ こっちは弓道場、神社の境内にあるこういう武芸場は本来は神に奉じるためのもの、 弥彦神社は古社ですが大正時代の大火で本殿以下ほとんどの建物を焼失し今の社殿は大正五年に建てられたもの、 昨年が再建からちょうど100年、これを記念して境内の再整備を行い弓道場なども新しく建て替えたのですね。 なのでまだ出来立てでとってもきれいです。 越後国開国のの祖神が鎮座する神社にふさわしい格式と趣のある神社に仕上がってるでしょう。 武芸とはちょっと違うし神社の境内ではありませんがすぐ隣に競輪場もあります弥彦競輪、 意外にスポーツ施設も豊富な神社ですね。。。 弥彦の競輪場は近くの高校(近くもないが・・・)、吉田高校の自転車部が練習に使っています、自転車競技では全国的にも強豪校なんですよ、 もっとも「自転車部」なんて部活が存在する高校自体珍しくはありますがね・・・ 今日は弥彦神社のお話し・・・ もうちょっと残ったけれど長くなったので今日はここまで・・・ ではまた・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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