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カテゴリ:自然
今日、娘と近くの森に散策に出かける途中のことでした。
道端の何気ない木の下できれいな花を二人で 見ているとき、 突然、けたたましい鳥の鳴き声がしたのです。 なにかと思って見上げたのですが、葉っぱが折り重なって 何がいるのかよく見えません。 とにかくその鳥は尋常でない啼き方をしているので きっと何か危険が迫っているのだろう、ということは なんとなく感じられました。 目をこらして見ていると啼いているのは、メジロだと わかりました。姿もはっきり見えて、せわしく羽ばたきながら 啼いています。 その時娘が 「あ、あそこに鳥の巣がある」 と言ったのです。 私は気がづかなかったので、よーく見てみるとたしかに そのようなものが見えます。 そして、そのあたりから目を離そうとした瞬間 私の目に、何かホースのようなものが横切ったのです。 「ありぁ、何だ?」 と思わず声をあげて、よくよく見ると、それは間違いなく ヘビの腹です。 大きさからすると、アオダイショウではないかと思いましたが 木の枝に器用に体を巻きつけています。 そしてその頭の先に、さっきの鳥の巣らしきものがあるのです。 「そうか、ヒナを狙っているんだ!」 と娘と顔を見合わせました。 そうすると、あの啼きわめいえているメジロは親鳥に違いありません。 そうして聞いてみると、その声はどこか威嚇しているようにも 聞こえます。 ヘビはゆっくりと巣に近づいているようです。 私はきっと親鳥が何か行動に出るだろう、と心の中で思いながら 息を殺してみていましたが、そのメジロはふと飛んでいってしまいました。 きっと帰ってくるにちがいないと思い、そのまま見ていたかったのですが、娘が走っていってしまったので、仕方なくその場を去りました。 森から帰る道で、やはり気になって、その木の下から覗いてみました。 ヘビの姿はすでになく、あのあと起きた出来事は知る由もありません。 家に帰ってからも、そのことが頭を離れませんでした。 そこに、命というものをリアルに生きる姿を感じたからなのかも しれません。 ほんの身近なところで、それこそ毎朝毎晩、虫や鳥や動物たちの 生と死が交換されているということ、そんな当たり前のことが 目の前にドーンと現れたような気がします。 夜寝る前にいつもの昔話をして聞かせる時間に、 娘と息子とそのことについて話しました。 彼らがそのことをどう感じるか聞いてみたかったのです。 いろいろ話してみましたが、うまく伝えることはできませんでした。 きっと退屈な話に聞こえたのでしょう。 途中でスヤスヤと寝入ってしまいました。 でも、いつの日かこのことをしっかり伝えていかなければ ならないと思うのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年05月11日 00時28分07秒
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