意外と知っているギリシャ語
お父さんはギリシャとは縁もゆかりもない。だからギリシャ語は全く分からない。ただし古代文明の栄えたギリシャの言葉は数学や化学の世界に結構な影響を及ぼしている。先日長女に高校の有機化学で必要になるからとギリシャ語の数字を教えた。 1から順に、モノ(1)、ジ(2)、トリ(3)、テトラ(4)、ペンタ(5)、ヘキサ(6)、ヘプタ(7)、オクタ(8)、ノナ(9)、デカ(10)、ウンデカ(11)、ドデカ(12)だ。 1を意味する「モノ」は「モノラル」「モノトーン」「モノクロ」など現代の言葉にそのまま残っている。2を意味する「ジ」は一般的な言葉にはちょっと思いつかない。化学の世界の物質にはやたらといっぱいついているのだが。3を意味する「トリ」は3人組をトリオと言ったりするので覚えやすい。4を意味する「テトラ」の代表は海にあるテトラポットだろう。4つのポットがくっついた形をしている。5を意味する「ペンタ」で有名なのはアメリカ国防総省の通称「ペンタゴン」だろう。上から見ると正五角形の形をしている。 ほかにも8本足のタコを英語で「オクトパス」と言ったりギリシャ語は世界中に影響を与えているのがわかるだろう。 ちなみに単位では、小学校で習ったdL(デシリットル)の「デシ」は1/10という意味だし、「センチ」は1/100という意味。「ミリ」は1/1000、「マイクロ(ミクロン)」は1/1,000,000、「ナノ」は1/1,000,000,000という意味でいずれもギリシャ語だ。更にパソコンなどのデータ容量を表す単位で使っている「メガ」「ギガ」「テラ」もすべてギリシャ語である。 お前たちがこれから数学や物理、化学の世界で使う記号や単位はギリシャ語由来がたくさん出てくる。高校から大学にかけてお前たちが理系を選択するならギリシャ文字は必須アイテムになるはずだ。 調べてみるとギリシャ語由来の言葉は意外とある。今は観光以外あまり産業があるとは言えない国ではあるが、世界に影響を与えたことは間違いないだろう。「ドラマ」「オーケストラ」「シアター」もギリシャ語由来と昔聞いたことがある。 ちなみに日本語由来の世界で通じる単位が一つだけあると昔教わったことがある。それが「匁(もんめ)」で真珠の国際取引はこの「匁(1匁=3.75グラム)」が使われているという。これは世界で初めて真珠の養殖に成功したのが日本だったため、日本の単位が用いられることになったからのようだ。 昨年ニホニウムという元素が登録されたように、日本人も世界に先駆けて発明や発見、さらには文化的な活動を続けていくと1000年後でも世界中に日本語の影響が残っているかもしれない。すでに「マンガ」「オタク」などの言葉は世界中で認識されている。1000年後にどうなっているかは知らないが。