予備校と学校の違い
長女が予備校に通いだして2か月がたとうとしている。長女は先日も書いたが田舎のエリート丸出しの感覚で、学校の授業と自己学習で十分だという意識だった。だから予備校に通うことをかなり嫌がっていた。おそらく学校でも「予備校なんて」という友人が多いのだろうと長女の話から伺うことができた。 人生において、学んだ知識を使うということにかけては学校の授業でもそれなりに十分ではあるとお父さんも考えている。予備校で学んだから社会で役に立つ知識を得たという感覚はお父さんにもあまりない。しかしながら、予備校は大学受験にかけては素晴らしく有能であるという意識はある。 予備校は大学受験に関してのプロ集団であり専門組織だ。様々な能力の受験生の様々な進学希望に合わせて必要な知識とテクニックを教えてくれる。これは予備校に通ったことのある人でないとわからないと思う。 地方には個人や地元資本による学習塾というものがあり、そこに通うことで学校の成績を維持することは可能である。しかしながら学校の成績はイコール受験の実力ではない。学校の授業では「理論、理屈」をきちんと説明してそれに伴った「解き方」を説明する。国語や英語、社会科などの授業も教科書に沿った基本的な内容(主に基礎的なこと)を教えていく。 それに対して予備校では、一つの問題に対して複数の解き方、どの方法で解けば一番早くて確実に答えを得ることができるのかを教えてくれる。もちろん基礎的な理屈もある程度含まれるがそれをどうやって受験問題を解くのに使っていくのかを教えてくれる。 さらに高校では教えない数式や公式を使って、一瞬で解答を出す方法なども教えてくれる。暗記系の学問であっても、どうやったら簡単に覚えて忘れないかのテクニックなども盛りだくさんで教えてくれる。そしてこれらのテクニックは予備校のテキストにも参考書にも記載されていない。授業を受けなければ教えてくれないのだ。 予備校のテキストは基本的に学校の教科書に準じている。しかしながら授業内容は全く違う。学校での解き方を教えた後に、異なる解法やテクニックを口頭で教えるのだ。なので予備校を訪れてテキストを見せてもらったところで予備校の本来の力はわからない。おそらく予備校側もテキストだけでテクニックが外へ流出するのを避けているのだと思う。 もう一つ、予備校の優れたところは志望大学、志望学部に特化した授業をしてくれるということだ。基本的に大手の予備校にはいくつかカテゴライズされて志望校別に授業のコースが存在している。東大コース、国立医学部コース、早慶上智コースなどだ。 東大コースは最難関だからこれを理解できればほかの大学は大丈夫と考える人もいるかもしれないが、大きな間違いだ。東大と京大では問題の傾向が違うし、東大と北大ではレベルも求める内容も違う。 お父さんの経験から行けば、東北大学の工学部を目指す人が1年間「東大理Ⅰコース」を学ぶよりも、「東北大工学部コース」を学んだ方が圧倒的に合格の確率が高い。 いかに志望大学に特化した勉強をするのかが大学合格の早道である。 ちなみに大手の予備校には、どの大学で毎年どのような問題が出ているのか、問題の種類はどれほどか、配点はどうなっているのかなど非常に細かく分類されている。 さらに学生の学力分析もされているので、志望大学に入るのに何をどれぐらい勉強すればよいかをきちんと分析して指導してくれる。 はっきり言わせてもらえば、地方有名進学校の進路指導や学習指導とは比べ物にならないくらい、実績も実力も信用も高い指導を受けられるのだ。 これからはAIを使って、さらに精度の高い分析が行われる行くだろうと思う。お父さんの偏見かもしれないが、地方進学校の進路指導は生徒の希望よりも現役合格できる大学を教えるだけであり、生徒の役に立つものではないと思っている。 予備校は授業料も高額だ。だからこそ優秀な講師を高給で雇って更なる実績作りに躍起になる。前年の進学実績が低ければ、生徒は少なくなるし講師は職を失う。だから全員が必死になって生徒を合格させようとしている。 地方進学校の高校教師にはその必死さが無いし、高校自体も進学実績は常に地域トップなので危機感はない。 すでに長女は予備校の授業にかなり入れ込んでいる。これまで学校で受けていた授業より何倍もわかりやすく、解放やテクニックを使うことで今まで苦労していた問題を簡単に短時間で解けるようになったことを実感しているようだ。 予備校が高額で二の足を踏む親は多いと思う。お父さんも長女の予備校の学費を聞いてかなりひるんだ。でも我慢すれば支払えると判断して、予備校に入れた。長女が志望校の国立に入ることができれば、私立大学にいく学費の差額で十分元が取れると考えている。 だから長女にはぜひ第一志望に合格してほしいと思っている。