鳥が会社に
先日ベトナム工場の玄関に野鳥が入ってきた。薄い鶯色の小さな鳥で、入ってきたはいいが、出口がわからなかったようで、翌日まで玄関や事務所内にいた。逃がしてあげようとしても、逆に出口と反対の方に飛んで行ってしまうので、翌日まで会社内をさまよっていた。翌日の午後にはいなくなっていたので、どこからか脱出に成功したのだと思う。 さて大した話ではないのだが、鳥が会社に入って来たことに対して真逆の評価をしていたので、面白いと思ってブログに書いてみることにした。 一人目はマネージャーの男性から聞いた話だ。彼は鳥が家に入ってくるのは幸運の象徴だと言って喜んでいた。会社に鳥が入ってきたのだから会社にラッキーなことがあると言って私を喜ばせてくれた。 実際にネットでも少し調べてみたが、幸運の象徴という彼の意見は基本的にあっているような内容のモノが多かった。お父さんも納得して、いいことがあればいいなと良い気分になった。 翌日副社長と話していた時にそのことを思い出したので、昨日鳥が会社に入ってきたということを話したが、そのとたんに副社長が実に嫌そうな顔をした。そのため幸運の象徴と言えなかったのだが、副社長から全く別の話をされた。 家に鳥が入ってくるのは、身内によくないことが起きる兆しであると副社長は言い始めた。そして副社長はかつて自分が経験した話を教えてくれた。 もう10年以上前だそうだが、家に突然鳥が飛び込んできたそうだ。ただ今回の様に小鳥が迷い込んだとは状況が異なった。 その鳥は何かに襲われていて、逃げるために必死で飛び込んできたそうで、血だらけだったようだ。それが家に飛び込んできた途端に壁に激突して絶命したという。あたりに血が飛び散って大変だったということだった。 そして翌日、副社長がいつもの様に朝の体操をしていた時に、めまいに襲われた倒れたということだった。副社長が以前倒れたことはお父さんも記憶にあったので、ウソではない。朝市場に行った後、自宅で倒れたということをお父さんも覚えている。正常に仕事ができるようになるまで、1年ぐらいかかったと思う。 前日に鳥が飛び込んできたという話は今回初めて聞いたが、副社長は信心深いというかオカルト的な話が好きな人なので、後日お寺に行ったときに、鳥が入ってきたのは前兆だと言われたらしい。そこで坊さんを読んでお祓いまでしたそうだ。 こういう経緯があって、副社長は鳥が入ってくるのは不吉であるという持論をお父さんに展開した。ネットで調べた中には身内の不幸という話は一つもなかったので、ベトナムでそういわれているというよりは、副社長の経験から出た話だとお父さんは思っている。 ちなみにお父さんは悪くはとらえるのが嫌なので、鳥が入ってきたのは何かいいことがあるからだと思うようにしている。ただし鳥が家に迷い込むというのは、玄関が開いていれば普通に起こりうることなので、期待をしているわけでは無い。 鳥が入ってくると言えば、10年ぐらい前に、我が家の庭にインコが迷い込んできたことがあった。庭で遊んでいた子供たちが一斉に家に入ってきて、「お父さん、鳥を捕まえた!」と言われた。スズメでもつかまえたのかと思って外に出たら、息子が虫取り網で青色のきれいなインコを捕まえていた。子供たちが遊んでいたら、その青いインコが門のところに泊まって逃げる様子もなかったので、近くにあった虫取り網でつかまえたということだった。 何せ青色のインコである。どうしても幸せの青い鳥というイメージが強くなり、とりあえずどこかの家から逃げてきたのだろうと我が家で保護した。鳥など飼ったことがないので、ネットで調べて鳥かごまで購入してインコを中に入れた。 幸せの青い鳥が家に来たのだから、何かいいことが起こるだろうとかなり期待してしまった。しかし「これだ」ということは結局起こらなかった。 青い鳥が入ってきても特に何も起こらなかったのだから、普通の野鳥が入ってきたからと言って、とても良いことが起こるとは到底思えない。そして悪いことが起きるとも思えない。ただただ「鳥が入ってきた」という事実があるだけである。 まあ良いことだと思っていた方がいいかなぐらいである。 ちなみに我が家に飛来したインコは、その後近所で聞き込みをしてもらったが、結局飼い主は見つからず、義父がインコを飼っていたのでその仲間に加えてもらった。義父の話では卵を産んで子孫まで残したらしい。義父の家で何度かそのインコを見たが、最近見なくなった。