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カテゴリ:思い出(幼児時代)
お父さんはとにかく虫が好きだったと書いたが、書いているうちにいろいろな思い出がよみがえってきたので今日はそれを書いてみたいと思う。何歳のころだったかもよく覚えていないが。小学校には入っていなかったころだと思う。
これはそんな小さいころの「セミの幼虫」を捕まえた時の話だ。 お父さんの子供のころの夏の定番と言えば、セミ捕りだった。知っている人もいるだろうが、同じ夏でもセミの出てくる時期は微妙にずれている。6月ぐらいからまず「ニイニイゼミ」という小さなセミが出てくる。このセミは8月に入ることにはほとんどいなくなる。「ニイニイゼミ」に続いて7月になると「アブラゼミ」「ミンミンゼミ」が出てくる。7月後半からは「クマゼミ」だ。「クマゼミ」は朝しか鳴かないうえに意外と木の高いところにとまるので子供には捕まえるのが難しい。8月の後半になると「ツクツクボウシ」が出てくる。このセミが出てくると夏休みも終わりに近づく。そのほかに山にいくと「ヒグラシ」が捕れた。 とにかく夏の間中お父さんはセミを捕りまくった。家の中に数十匹のセミを放して怒られたことも1度や2度ではない。 さて一般的にセミと言っているのは成虫で、セミの幼虫は土の中にいる。セミの抜け殻になる前の状態だ。お父さんの家の周りはセミの抜け殻がくっついている木がたくさんあった。 ある日、お父さんはどうしても成虫になる前のセミの幼虫を捕まえたくなって行動に出た。近所のセミの抜け殻がいっぱいついている枇杷の木の根元を中心に、その周りをスコップで掘り返した。自分の家でも空き地でもなく近所の家の敷地内にある枇杷の木だ。木の根元から半径2メートルぐらいをめちゃくちゃに掘り返した末に、ようやく一匹のセミの幼虫を見つけることに成功した。 お父さんは最高にうれしかった。すぐにその幼虫をもってお父さんのお母さんに見せに行った。お前たちのおばあちゃんはとりあえず興味がないながらもほめてくれた気がする。しかし、お父さんがどこでどうやって幼虫を捕まえたかを説明すると顔色を変えて、お父さんを連れてその家に行った。 きっとその光景を見て、唖然としたと思う。いまお前たちがお父さんと同じことをして、お父さんがその現場を親の立場で見たら血の気が引いたと思う。子供がよその家の庭をめちゃくちゃに掘り返したのだから。 そのままお父さんたちは、その家を訪問して謝罪した記憶がある。当時お父さんがセミをとるときに、「いつでも勝手に入ってよい」と言われていた家だったので、悪いことをした気は全くなかった。でもお父さんのお母さんはとにかく謝罪を繰り返し、お父さんの頭をひっぱたいていた記憶がある。どのように許してもらったかは記憶が残っていない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.01.30 00:10:10
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