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カテゴリ:エッセイ
先日、国連人権理事会とやらが、日産自動車の元会長のカルロスゴーンの逮捕は不当だという宣言を出した。まったく国連という組織がいかに腐っているのかがよくわかる行為だと思った。カルロスゴーンの逮捕が不当か不当でないかにお父さんは結論を出せない。
しかしながら世界193か国が加盟する世界最大の組織が、政治的活動も国家からの弾圧も受けていない一企業人の逮捕内容を扱っていることにとてつもない違和感を覚える。 現在世界中のあちこちで人権を蹂躙するような虐殺や侵略行為が起きている。アジアの超大国となった国は国内の少数民族を蹂躙しているし、アフリカでは異民族同士の虐殺が後を絶たない。国家による思想統制をしている国から、デモをした人々を片っ端から逮捕している国がたくさんある。 そんな中で、民主主義国家において一企業人が「背任罪」で逮捕された出来事を扱うのが正しいのだろうか。さらに言えばカルロスゴーンは逮捕された後、保釈金を支払って保釈されていた。国外移動などの制限はあるにしても留置所にいつまでもいたわけでもない。そして保釈条項を破って秘密裏に国外に逃亡した人物だ。法に従わなかった人物に対して、法的に不当だというのだから笑ってしまう。 お父さんは子供の頃、国連は世界平和のために多くの国が集まってできた平和のための組織だと教えられてきた。加盟国はそれぞれ1票を持ち、国の大小に左右されないので弱小国家の発言も大事に扱われるような説明を受けた。 しかし実際は193か国中192か国が賛成しても、常任理事国である5か国の1か国でも反対すれば何も決めることができない組織だ。 日本人は国連をとても大事にしているし、世界平和維持の立派な組織だと教えられる。しかしながら「国際連合」という名称自体が欺瞞に満ちているとお父さんは思っている。英語では「United Nations」となっており、「連合国」が直訳だ。 「連合国」とは第2次世界大戦での連合国のことだ。出自でいえば、第2次世界大戦の後に勝利した「連合国」が戦後の秩序を維持するために作った組織だ。だから常任理事国に当時の主要連合国の「アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国」がなっているのだ。 日本はイタリア、ドイツとともに3国同盟に入っていた「同盟国」であり「枢軸国」だ。そして国連には第2次大戦の連合国の敵対国に対する「敵国条項」なるものが存在する。「敵国」に対しては国連の許可なく武力制裁ができるというものだ。 世界平和を掲げた「国際連合」になぜ敵国が存在するのだろうか。これは明確にこの組織が「国際連合」ではなく「連合国」であることを示している。 もう一つ、日本人は公人は絶対に公私混同をしてはいけないという暗黙のルールがある。だから国際組織で重要なポストに日本人が就任したとしても、日本に有利な行動をすることができない。実際に日本はそのようなことをしないし、日本人もそれが当たり前だと思っている。 しかしながら他の国が同じだと思っているのは日本人だけだ。世界には様々な考え方や文化が存在する。権力を持ったら最大限その権力を利用するのが当たり前だという文化の国が山ほどあるのだ。 さらに言うと、その権力を使ってお金を得ることが当たり前だという個人も山ほどいる。こういう人たちはお金によって組織の決定や発表を簡単に変更する。 お金で国際機関の発言が変わるのだから、お金を出せる大国で且つ日本でいうところの不正をすることを国民が暗黙の了解として理解している国は、やりたい放題である。よって国連はお金のある国、賄賂で黙らせてくる国に対して何も言えない。 日本において民間放送局が大手スポンサーの不正を追及しないのと同じだ。公平性など全く保たれていないのが今の国連なのだ。 さらに言うと、国際連合をはじめとして国際機関でトップを発展途上国から選ぶような組織は、21世紀ではほとんど腐っていると言っていいと思う。発展途上国は賄賂で簡単に正義を裏切るからだ。それを利用している大国は当たり前に存在している。 最後に、米ソ冷戦から米中冷戦に変わったとはいえ、どちらも旧連合国であり国連の常任理事国だ。拒否権を持つ国同士が対立している組織で何ができるというのだろうか。何もできていないどころか、国連を重要だとありがたがっているのは世界中で日本だけではないかと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.12.04 00:10:08
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