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カテゴリ:エッセイ
最近はインターネットによる情報があふれているので、子供たちも少し変わってきている気がするが、お父さんが子供の頃は、学校で日教組の教師によって、半分洗脳と言っていいぐらいに、もしくは宗教の様に人間の善意を信じることだけが大事と教わってきた。
特に戦争に関しては、「絶対悪」であり平和に暮らしていれば軍隊など要らないと教えられてきた。子供にとって戦争とは死と直結した怖いものである。ましてやお父さんの世代は祖父が兵士として戦争経験があり、両親は戦中や戦後の貧しさを知っている世代である。戦争がいかにひどいモノかを経験しているため、お父さんたちにとって戦争は身近でとても怖いものだった。
だから自衛隊は悪であったし、日本は憲法9条に守られているから大丈夫と信じていた。防衛費増大をしようとしていた自民党はひどい政党だと思っていた。
お父さんが軍隊や安全保障について自分である程度考えることができるようになったのは、大学生になってアジアの発展途上国を貧乏旅行してからである。アジアのほとんどの国は、日本と異なり西洋の植民地を経験している。植民地の差別階級に属して教育も受けられず搾取され続けてきた国々が多かった。
こういう国を見て初めて、日本は戦争に負けなかったことでこういう境遇から逃れたのだと感じた。日清、日露、第1次世界大戦、第2次世界大戦と日本は、私たちのご先祖様は、国を、国民を、家族を守るために命を懸けてくれた。そのおかげで平和で発展した今の日本があるということにようやく気が付いたのだ。そして国力が弱ければ簡単に他国に侵略されるという世界の常識を知った。
しかしながら、当時のお父さんの意見は同級生の中でも異質なものだった。何人かに話したことはあったが、ほとんどの人はお父さんを「危険な思想の人」という目で見てきた。なのでお父さんはあまり自分の考えを他人に言うことは無くなった。 お父さんも日本国内だけにいただけなら、おそらく彼らと同じままだったからだ。
それが21世紀になってだいぶ様子が変わってきた。一つは中国が軍事的に台頭して日本と尖閣諸島でもめたり、香港やウイグルで人権侵害を見せつけたり、北朝鮮が日本を威嚇するようにミサイルを打ったり、核兵器を所持したり、とどめはロシアのウクライナ侵攻だ。 皆お父さんと同じように、平和に暮らしていれば侵略されないというのが幻想だと知ったのだ。
人間というのは面白いもので、自分が間違っていたとか、だまされたと思うと、逆の思想に大きく振れてしまうことがある。 今お父さんの周りに軍事費の増額に反対する人はいない。自衛隊を解体しろとか、防衛費を福祉に回せと言う人はいない。日本から手を出さなければ、日本は安全という人もいない。特に中国を脅威と思わない人もいなくなった。
完全に潮目は変わってしまった。将来日本国が平和に継続していけば、中国やロシアに感謝するかもしれない。日本人の目を覚ましてくれた国として。 お父さんたちに、平和を憲法9条の偉大さを説いた教師たちは、今の状況をどう思っているのだろうか。どういう意見を持っているのだろうか。ぜひ聞いてみたいが叶うことは無いだろう。
今お父さんの周りには、お父さんが危険だと思うほど逆ブレした人たちがたくさんいる。左派教育の反動だとお父さんは思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.06.20 00:10:09
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