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カテゴリ:DV(ドメスティックバイオレンス)
気分が沈む、夫と上手くいかない、夫と性生活をもちたくない。
そんなことを訴えてくる妻たちは数多い。 だが、自分から、DVを受けてます、と話し始める妻たちは、意外に少ない。 多くはこちらから、「夫は手が出ますか?」「ひどく傷つけるような暴言が出ますか?」と尋ねると、「いつもというわけじゃないです」というように、話し始める。 また多くの女性が、ほとんど同じことを言う。 「夫は仕事もしてくれるし、家のことも手伝ってくれます」 「子どもには、いい父親なんです」 「私さえ、ガマンすれば、うまくいくんです」 「暴力や暴言はありますが、いつも後から、すまなかったと謝るんです」 「もう二度としないと言っています」 「毎日というわけではないんです。数ヶ月に1回あるかないか。あとは、普通に暮らしています」 「病院に行くほどの怪我は、させられたことないです」 (もちろん、このパターンに当てはまらないケースもある) 最近、新聞に暴力夫の記事が出ているが、妻に暴力を振るう男たちの大半は、毎日毎日DVをやっているわけではない。 毎日ロクに仕事もせず、家に金を入れず、酒を飲み、暴れ、殴り、子どもにも暴力、という絵に描いたようなDV夫の記事を見ると、うちの夫はここまでひどくないし、と思ってしまうようだ。 いつもじゃないんだから、たまにイライラした時くらい、夫の手が出ても仕方ないんじゃないか、それくらい自分がガマンして当然なんじゃないか、全く手が出ない男性なんて、そっちのほうが少数派なんじゃないか、と錯覚し、あるいは夫に刷り込まれてしまっている。 実際には、夫婦喧嘩はしても、妻に手を上げたことの無い男性のほうが、多いのに。 心に突き刺さって忘れられないほどの暴言を、吐いたりしない男性のほうが、多いのに。 彼女らは、そのことを知らない。 よその夫婦の家の中のことは、見えないから、みんなそんなもんかも、と思ってしまう。 私はDVの頻度が少ないからいい、病院で治療が必要なほどの怪我をしていないからいい、と言う問題ではないと思う。 たとえば、1年365日のうち、5日だけDVを受けたとする。 残りの360日はそうでないから、5日くらい、ガマンすべきなのか。 DVは、身体の傷より、心の傷のほうがずっと深い。 身体の傷は消えても、心の傷は消えない。 だからと言ってDVを受けた妻たちが片っ端からいわゆるPTSD(心的外傷後ストレス障害)にかかる、という考え方をしているわけではないので、誤解の無いように。 私は、PTSDという診断をつけるのには、むしろ慎重派。 PTSDといえるほどの心的外傷は、自分の生命を失うほどの強烈な恐怖を本気で味わった人でなければ、ありえないと思っている。 例えば、バイト先の店長に迫られて、嫌々だけど関係を結んだ→店長の顔を見ると吐き気がする→店の前に行くだけでその場面が鮮烈に思い浮かぶ→仕事に行けなくなった。 私は、これは当たり前の反応であって、PTSDという診断をつけることに意味はないと思っている。 辛い経験をすれば、忘れないし、何度も思い出すし、眠れなくもなるし、繰り返し夢も見る。 関わりのある場所には行きたくないし、出来る限り同じ状況を避けようとするのも、当たり前。 人生をある程度の期間生きていれば、誰しもそういった体験の一つや二つ、あるとまで思う。 人間は、それを抱えて生きていくものだ、と強く思っている。 ああ、ダメだ。眠くなってきてしまった。続きは、また明日にでも。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年11月24日 23時59分44秒
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