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カテゴリ:育児
秋の行事と言えば、運動会と、音楽会。
運動会はこの頃春先にやる学校も多いようだが、音楽会は秋が定番。 大体、クラスでやる合唱と、合奏。 うちの子どもも、一応ピアノをかじってはいる。 我が家にあるのは、私が生まれるより前からあるアップライトピアノ。 45年ほど前のものだが、定期的に調律し続けてきたので、今でもきちんと音が出る。 前の家ではキッチンの横と言う過酷な環境にいたから、外の塗装は曇ってしまっているが、中の木や弦はまだまだキレイ。 もちろんサイレントとかではないし、防音室があるわけでもないので、弾ける時間は限られている。 それに何より、ピアノの前に座ってまとまった時間練習するということが、うちの子どもにはできない。 譜面が読めて鍵盤がわかる程度でいいと思っているし、私自身も同じだったから、何も言えないが。 小学生でも、「ピアノを弾ける子」というのは無茶苦茶上手いもの。 ところがうちの強気な娘は、「ピアノを習っている子、手を挙げて」と言われると、挙げてきてしまう(謙虚な息子は絶対に挙手しない)。 去年もそれで、「週明けまでに練習してきて」と合唱曲のピアノ伴奏を持ち帰ってきた。 私が初見ではすっと弾けないくらい難しいもので、片手がやっとの娘には到底無理。 何人かの子が楽譜を渡されたそうだが、はなから勝負になるわけがない。 それでも、週明けに一人ずつ弾かされるとのことだったので、手もつけなかったではあんまりと、最初の4小節だけ、死に物狂いで練習させた。 片手ずつしか弾けない子どもに、たった4小節でも両手で弾かせる、というのは至難の業だ。 結局その年は、とってもピアノの上手な男の子(もうツェルニー100番のレベル)が、ピアノ伴奏を受け持った。 うちの娘には「ピアノの弾ける子、と訊かれてもあなたは人前で弾けるレベルでないのだから、二度と言ってはいけない」と強く言い聞かせた。 なのに、また今年も、娘は楽譜を持って帰ってきた! ピアノを習っている子、と急に言われ、音楽会のこととは思いも寄らず(この時期に言われたらそうに決まっているだろ!)、また性懲りもなく手を挙げたという。 「あれほど去年言ったでしょ!」と怒りながら楽譜を見た。 合唱の伴奏ではなくて、合奏のピアノパートだと言うが、私が初見で一通り弾ける程度のもの。 うちの娘も、今年は両手の練習に入っている。 ひょっとして、これは何とか弾けるように出来るかも。 途中で飽きる娘を相手に、1時間ほどかけてとにかく一通り教え込む。 右手だけで練習させ、次に左手だけで練習させる。 和音のパターンは2小節の展開部分を除いて、2通りしかないんだから、楽譜を見るより覚えさせる。 展開部分だけが特別難しいので、そこだけを繰り返し弾かせる。 前半部分だけ、後半部分だけを繰り返し弾かせ、繋げて弾かせる。 翌日からは、一通り前日の復習をさせてから、前奏、一番、二番と通しで。 全体のテンポはゆっくりでいいが、難しいところだけテンポが落ちると、注意する。 テンポ一定で弾かないと、音楽は音楽にならない。 一番難しいところを弾けるテンポに、全体を合わせて弾かせる。 3日目にはゆっくりながら、何とか娘だけで一通り弾けるようになった。 左手の音と、右手の一番上の音を、口で歌わせ、覚えさせる。 お風呂の中でも歌わせ、もう暗譜させてしまうことにした。 歌ってしまえば、テンポを保ちやすくなる。 ある程度弾けるようになった娘に尋ねると、今年は女の子3人に楽譜が渡され、いずれオーディションで1人が選ばれると言う。 初日など娘も泣きそうになりながら頑張ったし、何より私もとても頑張った(笑)。 ここまでやったのだから、選ばれて欲しい。 娘の伴奏に合わせて、私が上の音でメロディーを弾き、つられない練習もした。 ある程度弾ける子同士だとすると、どこで差が出るだろう。 とかく左手より右手の音が強くなりがちなので、左をしっかり弾かせ、右の和音は軽く。 左手の音が長くなりすぎないよう、休符を守らせる。 最後の音で気を抜かないよう、きちんと両手を揃えて離す練習もする。 学校で訊いたらしく、1人はまだ全然練習していなくて、もう1人は何とか弾けて、暗譜で弾けるのは自分だけだ、とこの頃娘が言っていた。 ...ダメなんだよ、暗譜でやってるってバラしちゃ!と内心舌打ちする親の私。 結局、実際の曲のテンポで弾けるまで、3週間ほど毎日やらせた。 これほどピアノを頑張ったのは親の私も初めてだ。 オーディションに、他の子どもたちはお母さんお手製の色紙で大きな音符を貼り付けた楽譜などを持ってきたというが、うちの娘は暗譜で弾いた。 最終的にはこの暗譜の差で、うちの娘が選ばれてきた。 よく頑張ったぞ、娘。よく頑張ったぞ、私。 これで本番当日娘が風邪ででも休んだら、代役は私がやるしかないか(爆)。 音楽の授業では、合わせての練習が始まっているが、娘は小節の頭だけ鍵盤を見て、あとは先生の指揮を見ながら弾けるので、「うまいね」と褒められたと嬉しそう。 「でもね、鉄琴の子は、まだ全然弾けなくてね、先生は『今度までに弾けなかったら、クビ』って言ってた」 ク、クビだってえ!? 鉄琴なんて、家で練習してこられないのに...。 去年も何回もパート変わって最後に大太鼓になったけど、きっとその前の大太鼓の子がクビになったんだな...。 今時の小学校は昔と違って甘い、と思っていたけれど、うちの子どもの学校は、私が小学校の頃より厳しい。 他の先生たちにお子さんのことを訊いても、明らかに厳しい。 いや、普通に公立の小学校なんですけどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月03日 23時34分27秒
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