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じゅびあの徒然日記

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2008年08月10日
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カテゴリ:育児
例年、本読みと作文の苦手なうちの子どもらは夏休み読書感想文を書かないのだが、今年は「書くから課題図書を買って」と言い出した。
読書感想文、読書感想画、理科か社会科の自由研究、工作のうち、どれかをやっていかなくてはならない(最低1個、2個以上が望ましい)と学校から通知が来たのだ。

私が小学校から高校時代、夏休みに読書感想文を必ず1本書いたものだ。
私は速筆だったし、1回どおり読んでいつも下書きなしで一気に書いていたが、不思議なことに大体規定字数どおりに完成してしまう。
これは結構な特技で、親には出来上がった感想文に目を通させることこそあっても、手伝わせたことは一度も無い。
それでいて、3年に1度は賞状なんかももらっていた。

きっと大変だろうな、と思いながら、「必ず書くのね」と約束して、読書感想文の課題図書を2冊、読書感想画用の課題図書を2冊買った。
さすがの私でも、同じ本を題材に二人の子どもに全く違う読書感想文を書かせるのはどう考えても難しいので、別の本でそれぞれ書かせることにしたのである。

案の定子どもは嫌いな作文を後回しにして、感想画から始めた。
感想そのものを絵にするのは難しいから、一番印象に残ったシーンを、子どもらなりのイメージで膨らませて、描けばいいだろう、と思った。
私が勤務から帰ると、「色はまだ塗ってないけど、描いたよ」と子どもが画用紙を持ってきた。
「がびーん...」
娘は、本の表紙カバーを見て丸写し。
息子のは、場面こそ自分で描いたものの、登場人物の顔が本の挿絵にそっくりなのだ。
しかも力を入れて描いているので、鉛筆の跡に沿って画用紙が凹んでしまい、消しても直せない。
「あんたたちさ、ポケモンの似顔絵を葉書に描いて、テレビ局に応募するのと違うのよ。本とそっくりに描けました、っていう賞をくれるんじゃないんだから...。それにこれは誰の絵?この画家さんの作品だよ。こういうの、盗作っていうのよ。この頃問題になってるでしょ。本に出ている絵と、全く違う絵を描かなきゃいけないの。」
これを理解させるだけでかなりの時間を要した。

やっとオリジナルの絵を描き始めたが、いつものことながら、絵が小さい...。
四つ切画用紙に、まるでメモ帳にでも描くような大きさの人物や動物。
それが、前後の重なりも無く、画用紙の上に、無関係に点在してしまう。
「余白が多すぎる」「絵が小さすぎて迫力が無い」「一部はみ出てもいいんだよ」「だからってメインの猫の耳がはみ出しちゃったら、何だか分からない!」「マンガみたいに全部パッチリお目目でウインクさせるなって」「腕と脚が棒のようなのは、マンガだよ!」
3時間くらい、二つの部屋を行ったり来たりしてわめき続ける私。
見かねてA4の紙に、おおまかにこれくらいの絵を描きなさい、と構図や人物、動物のポーズを描いて渡したが、それでも私の見本の絵のサイズより小さく、四つ切画用紙に描いてしまう。

どうにもならず、ついに画用紙3枚目。
「これが最後の画用紙。もう描き直しは無いよ」と渡し、ついに画用紙に直接私が構図を描いた。
私は決して絵が得意ではない。図画工作や美術は、体育の次に悪かった。
それでも主な人物や猫、周辺の人物、本に登場する大道具小道具...鉛筆で軽く、うっすらと丸や線を描いて、「ここに、これくらいの大きさで、この枠いっぱいに描きなさい」とひとつひとつ指示。
それでも「マンガになってる!」などと何回かわめいて、1時間後。
どうにか鉛筆で下書きが完成。

その後もいきなり先が磨り減って太くなったクレヨンで背景から塗りつぶそうとする娘や、絵の具をパレットの上で混ぜようともせず「生の色」をそのまま塗りたくろうとする息子を何度も制止。
手前の人物と背景をほとんど同じ色にしてしまい、埋もれてしまったところを水で塗らして溶かして直したりするのはやっぱり私の仕事で。
「絵の具は水をたっぷり混ぜて、薄い色から少しずつ様子を見ながら塗りなさい!」
「そんな太い筆でどうやって塗るの!」
「パレットの上に出して色を作るときは、一度に全部混ぜず、少しずつ混ぜながら塗るの!そうすると、色にいろんなところができて、上手に見えるの!」
「ここがガラーンと空いてしまっているから、場面に出てくるはずのものを描き足してみなさい!」
「背景は一色でなくてもいいの。地面と壁が違っていてもいいし、濃いところと薄いところがあってもいい。一色で塗ったら埋もれてしまうものがあるなら、変えて描く!」

...3日、いや4日かけて、完成した。

読書感想文の課題図書だって、1回読んだだけで「読んじゃった!」
うちの子どもの読解力では、1度読んだだけで書けるはずがない。
「最低でも3回は読め」と言ったら部屋に戻っていったが、「3回読んだ!」と降りてきた。
「この話のどんなところが面白いと思ったか」をそれぞれ子どもに尋ねた。

「青いティーセットを庭に埋めたのは、誰だったと思う?」「緑の妖精が埋めた。」
「お花が子どもになったでしょう?それってどういう意味があるの?」「ううん、魔法は解けなかった。でもそのうち解けると思う。」
全然分かってないよ、娘。
確かに本に出てくる物語では、妖精が魔法をかけて、ティーセットを埋めてるけど、その物語のとおりに、庭を掘ると出てくる、っていうお話なのよね。

「主人公が最初は嫌がっていた牛の世話をするようになったのはどうして?牛に対する気持ちは、どう変わった?」「可愛いから、やった。可愛いなと思えるようになった。」
息子よ、それだけでどうやって原稿用紙3枚書くつもりだ。

仕方なく、子どもが寝てから、それぞれの本について質問事項を書き出した。
登場人物が、その気持ちが、そしてその人たちの関係が、それぞれ物語の場面でどう変わったか、を順序立てて箇条書きにし、質問を作った。
1冊の本について、20項目を超えたが、この質問に答えて繋げれば、読書感想文の体裁をとれるだろう。

翌日、子どもにその紙を渡して仕事に出かけた。
帰宅すると、もちろん、びっくりするほど浅はかな回答も多々あったが、どうにか修正可能な範囲。
とりあえず、原稿用紙3枚ずつ渡し、分量を見るために一番言いたいことは何かを決めて、書かせてみた。
娘が「できた!」と持ってきた感想文は、原稿用紙2枚半だが、感想は最後の1行で、残りは全て本のあらすじ。
それを元に赤鉛筆を入れるつもりだったが、元にしようがない。
しかもその最後の感想1行は唐突で全く意味が分からない。
「課題図書の感想文は、審査する人全員がその本を読んで、内容を知っていて読むの。だから、感想を説明するのに最低限必要なのを除いて、あらすじは一切、書かなくていい。あなたの感想だけを書く。」
聞いていた息子が書きかけの1枚目を持ってきたが、やはり大半があらすじ。
「次の日...」とかいう説明は要らない、と教えたが理解したかどうか。
まだまだ読書感想文と格闘の日々は、続くようだ。
夏休みの終わりまでに、できるかなあ...。

私はもちろん、この8月になって1週間、忙しい合間を縫って本を4冊全部読んだ。
読まなきゃ教えられないからね。
私も今まで生きていて、一番本を読んだ夏かもしれない(笑)。





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最終更新日  2008年08月10日 13時03分13秒
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