『上弦の月を喰べる獅子』夢枕 獏
螺旋に魅せられた男の話.はじめは普通の本かと思っていたけれど,仏教観を丸出しにしています.「螺旋」がキーワードです.私は,美内すずえの「紅天女」や「アマテラス」を思い出しました.そういえば,もうすぐ『ガラスの仮面』の新刊でますねー.話は戻って,この本は,螺旋にこだわりすぎているが,私の感想です.だから,それに合わせるためにすべてを作ったというような内容になっていて,それがつまらない.私の家では,毎年お盆にお経を(自分たちで)あげるので,文中にお経の一節が出てきてもべつにかっこよくも斬新だとも思わない.むしろ,著者が無理して使っているような感じを受けました.作り物感がして,後半はすこしうんざりしました.