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ロバートとの出会いはわたしにとって人生をまさに変える出来事だった。 すべてはその人の生き方しだい、または伝わるものがあるとすればそれはその人の生き方だけ。 彼は特別なことをしたわけでもなくびっくりするようなことを言ったわけでもない。 淡々と人生の今を楽しんで、なんのコントロールも受けずに自分のしたいことをしている…そのことの重みが伝わってくる。 さっきまで彼が愛を注いでいた草花のように、今はわたしという目の前に現れた人間に愛を注ぐ。 わたしが去ればまたもとの花壇の仕事に戻る。 後年、久高島で同じことを感じたがロバートはこの地上ですでに天国での生活をしているように思う。 死んで天国に行っても彼は淡々と花壇を世話し、訪れた人ににこやかに微笑むのではないか。 昨日のように今日があることを感謝し、今日のように明日が来ることを祈る。 幸せは条件を満たしてなるものではなく、ただこの瞬間に感じることができるかどうか。 それを感じている人はそれを発散している。 そんな人は耳障りな言葉も吐かないし人を押しのけたりもしない。 そんなことをする人はそんなことをされたことで不幸のバランスをとろうとしているのだ。 しかし気づきを得て幸せを感じられる人はそんな人のそんな振る舞いをも受け入れて癒す力を持っている。 そんなひどいことを言うあなたはきっとひどい目に遭ったのですね…と無言でロバートがその人の目を覗き込むとその人の目からは大粒の涙が滴り落ちてくる情景がイメージされた。 そんな優しい目で見ないでください…とわたしの胸を拳で叩きながら泣き崩れた人がいた。 そのときふとわたしもロバートに少しは近づいたのかも知れないなと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.02.06 10:21:08
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