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テーマ:愛犬のいる生活(77227)
カテゴリ:Companion Animal
私の両親は、特に動物には関心を持っていない。加えて公団住宅住まいだったため、ペットは御法度だった。子供の頃、唯一、飼う事が許されたのが、ハムスターとウサギだった。
小学校の5年だったろうか・・・友達の飼っていたゴールデン・ハムスターが11匹の子供を産んだ。私を含め、何人かがそのハムスターを譲り受け、飼い始める事となった。 私は鳥かごを2階建てに改造して、そのハムスターを飼った。名前は『ぴぴ」(♀)。私にとって初めてのペット・・・。 ゴールデン・ハムスターの原産地はシリア。砂漠に巣を作って生息。夜行性。つまりこれが本来の姿だ。しかしそれを当時の私はまったく理解していなかった。学校から帰ると、ぐっすり寝ている彼女を起こしては、抱っこしたり、手から手へと移動させてみたり、友達へ見せに『持って』いったり。雑食でいろいろ食べるから、と、お菓子をあげてみたリ。フッと息を吹きかけたときの反応がコミカルで、それをなんども試したのも良く覚えている。また、夜になると当然活発になり、回し車で運動を始めるのだけれど、それがゴトゴトうるさくて、割り箸で回し車がまわらないように、つっかえ棒をしてしまった。 ところがハムスターの糞尿は臭かった。私は小屋のそうじが苦手で、数日でもそうじを怠ると、部屋がものすごい臭いになった。母は強制的に小屋をベランダへ出してしまう。夏でも冬でも、だ。それで私はやっと掃除する・・・といった始末だ。 結局『ぴぴ』が生きたのは1年ほどだった。ある朝、固くなっていたのだ。あれは本当に哀しくて、ワンワン鳴いた。一度埋めては「生き返るかも・・・」と、数時間後,掘り返したりして。 でも、当時の私にとって『ぴぴ』は、完全におもちゃの延長だった。そのつもりはなかった、と思うけど、今どんなに冷静に考えてみても、自分の都合で手荒にモノのように扱って、ひとつの命として大切にしていたとは、とても言えない。本当に可哀想な事をしてしまったとしか言いようがない。 動物は本当に愛くるしくて可愛い。『癒しグッズ』としてペットブームに、大量に『消費』されてしまうのは彼らの哀しい宿命かもしれない。 でも動物は私たち同様、生きている。個性もあれば、好き嫌いもある。短所もあれば長所もあり、ストレスを溜め込んでノイローゼになってしまったりもするほど繊細だ。要は、手がかかるのだ。これを理解しないで安易に手を出すと、不幸な動物をどんどん生み出す結果になってしまう。 かわいいから、癒されるから動物を好きなのは、本当の動物好きなんかじゃない。例えば,動物から奪った毛皮を着込んで、洋服を着せた犬を抱えて嬉々としているパリス・ヒルトン。彼女は完全に動物をモノ扱いしている。 本当の動物好きは、安易に動物を飼わない人、自分の都合で動物に甘えない人なんではないだろうか。もしも飼う、いや、いっしょに暮らすなら、短所も、汚い部分も、臭い部分、弱い部分も、不便さも、全部,全部ひっくるめて責任をもつ。それが本当の動物好きだと思うのだ。 本当の動物好きに、私はなりたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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