思えば遠くへ来た私

今日、意固地になって息子を泣かせてしまった。

だって息子にとっても腹が立ってしまったから。

なぜ腹がたったかと言うと・・・

最近、息子がいちいち私の仏語の発音を直すのだ。

特にRの発音。

実際私の発音は良くないのだろう。

自分でもなんとなくはわかっている。

RとLの発音を良く混同するし。

でもねえ。

5歳半の息子に

「今○○って言ったでしょ！」

なんて笑いながら言われたら

いくら我慢強い？私でも

腹に据えかねる物があるのだ。

最初は「悪かったわねえ！」

と聞き流していたけど

最近調子に乗った息子が

まるでバカにしてるかのように、

鬼の首でも取ったかのように、

そしてそれを楽しんでいるかのように、

嬉々として私に注意して来るのだから

私だって面白くないのも当たり前。

そして今日。

「これ仕舞って（range le,s'il te plait）」

となにげなしに言った時に

息子が又笑いながら

「ママ、今 lange って言ったよお！」

なんて言った物だから

私もついカッとなってしまい

「もういい！！
　
　もうアンタとは仏語では喋らない！！

　今度からずっと日本語で喋る！！

　ほら、それを仕舞って！！」

と日本語で怒鳴ってしまった。

訳のわからない息子は

一瞬その場で固まっていたが

どうやら私が怒っているらしい事と

日本語で何か言ってるけど自分には何にもわからない事で

初めはふくれていたのだけど

私に何を言って来ても

私が理解出来ない言葉でしか喋らない物だから

とうとう泣き出してしまったと言う訳。

ああ、書きながら

私って大人げないなあと大反省。

勿論そんな私の日本語はずっと続く訳も無く

数時間ですぐに元通り仏語で喋るようになってしまったけど。

そして思った事。

いつかはこんな日が来るとはわかっていたのだ。

私より遅く仏語を始めた息子でも

フランスで生まれ育ったのだから

れっきとしたフランス人。

私なんかの仏語がかなう訳がないとわかってはいたのだ。

実際、最近息子がアニメソングを歌ってのを聴いて

「ああ、このアニメソングってこんな歌詞だったのね」

とやっとわかった事があったし。

私には聞き取れない歌詞を

フランス人の彼はいとも簡単に聞き取ってしまう。

当たり前なんだろうけど。

でもやっぱりちょっとショック。

だって母親だぞってでかい顔出来なくなるしさ。

私の方が出来るんだって偉そうな顔も出来ないしさ。

前に何かの本で

“大きくなった子供にバカにされるようになる日本人母”

の事について読んだ事がある。

出来ればそんな事の無いように

一応努力はして来てたつもりだったのに。

やっぱりダメかあ・・・。

と、ふいに後悔する。

なんで息子に日本語を教えて来なかったのかと。

娘にもっと日本語で話しかけないのかと。

今からでも遅くはないのかもしれない。

今日のように息子に泣かれたって

「ママは日本人なんだから」

と言い聞かせて

子供達に日本語を教える努力をした方が良いのかもしれない。

日本語で話し続けるようにした方が良いのかもしれない。

それを今日は本当に考えさせられた。

が・・・

はたして私に子供達の日本語教育が続けられるのかが疑問。

やる前から消極的なのも問題だけど。

ただ面倒だと思っている所もあるのかなあ。

でも、どうにかしなくちゃ・・・。

焦ってばかりで決心がつかない私。

始めるのなら今しかもう無いよね・・・。





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