思えば遠くへ来た私

夕べ真夜中に息子が泣きながら目を覚ました。

一緒に寝ている娘を起こされたら困るので

「シ～！なんで泣いてるの？ママはここにいるよ」

となだめたら

完全に目を覚ました息子が

「あのねえ、夢の中でねえ」

と自分が見た悪夢を語りだそうとした。

でも娘が寝ているし

私も眠かったし

何より今は真夜中なので

「明日の朝教えてね」

と言って眠るように促した。

そして今朝。

ご機嫌で目を覚ました息子に

「夕べはなんで泣きながら起きたのさ」

と尋ねたら・・・

「夢の中でねえ、

　ママに花束をあげたらねえ

　写真をとった後ねえ

　ママがその花束を床に叩き付けてねえ

　とっても意地悪だったの」

と言った。

・・・私のせいか。

でもいくら私でも

そんな理不尽な真似はしないわよ。

「ママが意地悪だったから泣いたの？」

と確かめると

「そう」

とへらへら笑う息子。

う～ん、

これは一体どう言う夢なんだろうねえ。

息子の頭の中にあった

私にいじわるされた記憶が見せた夢？

そう考えて思い返してみると

確かにちょっと酷い事をした事もあったなあ。

例えば

夕食後にイチゴをあげると約束していたのに

いざ日記を書き始めると面倒になって

「ちょっと待ってて」

と息子を待たせた上

後ろで「イチゴ！イチゴ！イチゴ！」と歌う息子を

「うるさい！！」

と一喝したり。

「喉が渇いた」

と娘と交互に言って来る息子に

水を採りに行くのが面倒な私は

「今度から娘と一緒に言いに来てよ！」

と腹を立てたり。

この間も書いたけど

本当なら娘に言い聞かせなければならない時に

ついつい息子に我慢させたり。

きっとそう言う細かい事が息子の中でつもりにつもって

私が悪者となって彼の夢に登場したのだろう。

なんてそう考えたら

ちょっと情けなくなってしまった。

でもそう言えば私も

小さな頃に母の夢を見て泣いた事があったな。

いつも通る道に見えない壁が出来て

私がここにいるのに

母は何も気付かずに行ってしまったのだ。

その夢は今でも忘れられないくらいに強烈で

その時も泣きながら目を覚ました私だったが

隣で寝ていた母がそんな私の手を取ってくれて

私もその後眠りにつく事が出来たのだ。

親と子の関係って

案外複雑だと私は思う。

私の母に対する気持ちも

ここでは書ききれないくらい複雑だ。

でもだからと言って

母が嫌いな訳ではない。

息子の私に対する気持ちも

今は「好き」とか「怒ったら嫌い」位なのかもしれないけど

そのうちに数えきれないくらいの感情が渦巻くようになるのかなあ。

あんな夢を見たって言う事は

彼の中でも色々変わりつつあるのかも。

それは避けようの無い事なのかもしれないけど

でも出来れば彼の悪夢に悪者として登場するのは

もうイヤだなあ。

だからと言って

天使のように優しい母になる自身も無い私。

だけどこれからは

出来るだけ理不尽な事はしないように

努力だけはしようと思う私なのでした。






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