思えば遠くへ来た私

お昼に幼稚園に息子を迎えに行ったとき

時間より早めに着いてしまったため

まだ門が開いてなかったので

その門の前で娘を遊ばせていたときに

それが目に飛び込んで来た。

門に貼ってあった給食についての貼り紙だ。

ちょっと前に息子を隣の小学校に登録した時に

9月から小学校に行きだしたら

“給食を食べる”の項目に丸をつけておいたので

全てはそれで終わったと思っていたが

どうやら違ったらしい。

給食は給食で別に登録しなくてはならないのだ。

その事に漸く気がついたとき

時間になって門が開き

息子を捜しに行った後

気になって隣の小学校へその足で出向いた。

そして

そこにいた給食の責任者のおばさんに会って話を聞くと

なんと

やっぱり母親が働いてない子供は

席が空いてない限り

給食は食べられないらしい。

・・・ガーン！！

呆然と立ち尽くす私に

9月になって学校が始まってから又来いと言うおばさん。

もしかしたら席が空いてるかもしれないというのだ。

そりゃあ、空いてたら万々歳だけど

その可能性はきわめて低そう・・・。

息子の幼稚園への4往復も

後1ヶ月強で終わると信じていた私は

すっかり力を無くして

家路に着いたのでありました。

お昼ご飯を作る手も弱々しく

どうにか作り終えて皆で食べて

時間があったので

哀しみを堪えてメールチェックをしていたら

珍しく日本の兄からメッセージが来ているのを発見。

なんだろう？

と見て見たら・・・

数ヶ月前に

もし出来るならと頼んでおいた本を

なんと私の為に買ってくれたらしく

今度送ると書いてある。

・・・ラッキー！！

これで大分気が晴れて

息子を幼稚園に連れて行く足取りも軽くなった。

その帰りにベビーカーの中で眠り込んだ娘を玄関に放置し

一人の時間を満喫している時にインターホンが鳴った。

誰だろう・・・？

と出てみるとなんんと義母。

用事でニースに来たので寄ってみたらしい。

その時にはもう3時半で

2時間たっぷり寝た娘はおばあちゃんに会えて

寝起きなのに超ご機嫌。

お土産は紫色のワンピース。

いつもの菓子パンと

義母の家の隣に住んでいる

鶏を飼っているお友達に貰ったと言う

生みたての卵も勿論嬉しかった。

今日義母がわざわざうちに来たのは

実は昨日息子が釣りに行った時に

義弟の車の中に上衣を忘れた事もあったからで

それを届けてくれたのだ。

昨日釣った魚は全部で23尾。

小さい物ばかりだったらしいが

それは全部義母の家に運ばれ

今度彼女の手によって

魚のスープにされるらしい。

「その時にはアナタも食べに来てね」

と優しく囁くおばあちゃんに

無理矢理チューして喜ぶ娘。

そのあと3人で息子を幼稚園に迎えに行き

帰る途中で義母と別れた。

そして

家に帰って来ながら

自分の気分がすっかり良くなっているのに気付いた私。

捨てる神あれば拾う神あり・・・かな。

お昼にはすっかり落ち込んでいたけど

兄と義母のお陰で

今はすっかり立ち直った。

又9月から10ヶ月間

幼稚園と家の4往復をしなくちゃならないのはつらいけど

夏休みの間は息子は夏季学校に行く予定だし

その間は勿論給食を食べるので

約2ヶ月間は少しだけだけど楽出来る訳だし

なにより

今からこんなに落ち込んでも仕方がない。

今はその事は出来るだけ考えずに

近々義母の家で食べるだろう魚のスープの事と

今度送られて来るだろう本を

楽しみに待つことにするのが

精神衛生的にも良いのだろう。






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