思えば遠くへ来た私

フランスに住みだしてから

これまでにも何度か往来で争う人達を見たことがあるが

今日のそれはすごかった。

夕方、息子を学校へ迎えに行った時のことだ。

4時半に終わって出て来る子ども達を

多くの父兄が待っていた小学校の前でそれは起こった。

一台の車が、

人でごった返している中にやって来て駐車した。

車が入ってはいけないとは決まってないようだが

そこは道路ではないので

これだけ人がいる中に突っ込んで来るのは

はっきり言ってちょっと非常識かな、

と誰もが思ったに違いない。

だからなのだろう、

その車から降りて来た女の人に向かって

一人の金髪の女の人が

「自動車でこんな所まで来るなんて非常識！！

　こうやってアンタはこの当たりを汚染してるのよ！！」

と言った。

言われた黒髪の女の人も黙っていない。

「汚染！？私が！？何を大げさな！！」

売り言葉に買い言葉で二人の言い争いは続き

「その汚い口を閉じろ！！」

「うるさい太った牛！！」

と、私の真横で始まってしまった。

確かに黒髪の婦人はちょっと太ってたけど

「太った牛」と言われる程ではなかったな。

牛婦人が威嚇する為にあまりにも近くに寄って来たからか

金髪婦人もつい手で押しのけてしまい

「触らないでよ！！」

と興奮した牛婦人が押し返し、

押したり押されたりしてるうちに

キレた金髪婦人が持っていた買物袋で

ついに

バチコーン！！

と、牛婦人を殴ってしまい

袋に入っていたクッキーとか何やらがその辺に散らばった。

・・・ひええええ！！

勿論その時には

初めは遠巻きに見ていた周囲の人達の中から

勇敢なおじいさんとかおばさんとかが止めに入っていたのだけど

興奮している二人の中年女性には

その声は全く届かず。

あわや殴り合い！？

と思ったその時にやっと

4時半のベルが鳴り響き

5.6人の父兄が立ち上がって

力づくで彼女達を引き離したので

出て来た子ども達がその恐ろしい光景を目にすることは無かった。

・・・はあ。

いや、私もね。

一番近い所にいたんだけど

その勢いにのまれてしまって

全く止めに入ろうなんて無謀な気にはなれませんでした。

ベビーカーに乗った娘もいたしね。

でも、しかし。

フランス人って、一体、何考えてるんだろう？

あれだけ人目がある中で

何ではずかしげも無く堂々とケンカが出来るのかしら？

しかも今日の彼女達、

二人とも40台半ば位のいい大人。

金髪婦人なんて

連れていた犬を放ったらかしでハッスルしてたし。

本当に、

こんな光景を目にする度に

自分が住んでいるフランスと言う国が

とんでもない所なんじゃ、

なんて不安になってしまう私。

日本じゃ、まず、こんなことはないですよね？

やっぱりフランス人って攻撃的なのかなあ？









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