【書籍感想】エクソダス症候群
書籍の感想です。今回は「エクソダス症候群」です。エクソダス症候群 【創元日本SF叢書版】【電子書籍】[ 宮内悠介 ]近未来、精神病に関する診断にAIが活用され、よりスピーディにより正確に診察が行われ、精神科医の存在意義が問われるような世界。精神病に打ち克ったはずの人類だったが、それでも死を選ぶ者がいた。主人公であるカズキは将来を嘱望される精神科医であったが、地球でいろいろあり、居場所を見失い、失意のうちに火星への移住を決断する。火星での生活は厳しく、生活レベルも地球と比べると相当落ちる中で、カズキを精神科の病院に勤務することとなる。「精神病」とは何か、何をすることが治療なのか、みたいなことが根底に流れている気がします。ちょっと難しくてわからない部分も結構あったのですが、医療設備も薬も不足している火星で、「本当に必要な治療とは何か」をカズキなりに見出した、という感じだと思います。全体的に重く、気軽に読みたいと思う人にはお勧めしません。