【書籍感想】鹿の王3
書籍の感想です。今回は「鹿の王3」です。鹿の王 3 (角川文庫) [ 上橋 菜穂子 ]鹿の王の3巻です。犬から伝染る病気と戦うお話かと思ったのですが3巻になって、話はそれだけに留まらない様相を呈します。アカファは現在帝国の版図となっていますが、そこには帝国から流入してきた移民に対する激しい憎悪があります。それは単に感情的な問題だけではなく、今まで育てていた麦か育てられなくなったり、アカファの馬がだんだん減っていったりと、実際の被害が出ているのです。そしてその反撃手段としてこの犬と病気が利用されたみたいです。しかし、いくら犬に噛まれたら死ぬとしても、たかが数十頭の犬で帝国を追い出すことは無理そうです。帝国に疑惑の目を向けられたアカファの王は「一部の部族」が考えたこととして反乱が「なかったこと」にしようとするのでした。そんな政治的な思惑にヴァンもホッサルも絡め取られ、ヴァンは一度は反乱へ加担するものの、そこから離れ、ユナの行方を追います。ホッサルは利用されていると知りながら、病気の治療薬開発に役立つのならと、動くのでした。そしてついに、まだ名乗っていないものの、ヴァンとホッサルは邂逅するのでした。二人の出会いはどんな未来を生み出すのでしょうか?かなり複雑で誰が正義で誰が悪とか、病気を治したら終わりとかそんな単純な話ではありません。でも、やっぱりヴァンとユナ、そしてサエに幸せになって欲しいなあと思います。次巻が楽しみです