【書籍感想】千早あやかし派遣會社
書籍の感想です。今回は「千早あやかし派遣會社」です。千早あやかし派遣會社 (集英社オレンジ文庫) [ 長尾彩子 ]貧乏人大学生の由莉が高い時給に釣られてあやかしの派遣會社のアルバイトになってしまうお話です。とはいえ、派遣する人(?)があやかしというだけで、派遣業自体は真っ当で労働環境もホワイトです。社長である千早は10人もアルバイトに初日に辞められてしまったせいで、だいぶやさぐれてしまっていましたが、由莉は超常現象が視える人だったので、時給の高さもあり、しばらく働くこととしたのです。なかなか面白かったです。河童を水泳部のコーチに斡旋したり、付喪神を和菓子屋に就かせたり、山姥を野菜カフェに派遣したり。うまくいったり、派遣先でバイトテロ的な行動をやらかしたり、でもそれにも理由があったり。千早はイケメン社長でしかも派遣業の社長としてはなかなか有能です。でも、日常生活のレベルはレベル1というかむしろマイナスと云うほどの酷さ。エントリしてきたあやかしをもてなすために高級茶葉を用意しているはずなのに、千早が淹れると出がらし相当の味になっちゃいます。料理もまったくできないけど、お金は持っているからお金でイロイロ解決してきましたが、由莉が料理を作ってくれるようになって大満足です。この辺の千早のダメさ加減も楽しいです。3ヶ月経って契約満了の時期ですが、由莉は様々な派遣を通じて知り合ったあやかしを愛しいと思うようになったのでした。胃袋を握られている千早ももちろん・・・楽しいお話でした。