【書籍感想】薬屋のひとりごと
書籍の感想です。今回は「薬屋のひとりごと」です。薬屋のひとりごと (ヒーロー文庫) [ 日向 夏 ]花街の一角で薬屋を営んでいた猫猫。毒が好き、という変態的な性格ではあるものの、薬師としての能力は高く、それなりに満足していた。なのに誘拐のような形で後宮に送られてしまいます。薬や毒が好きであり、後宮での出世などまるで望んでいない猫猫は字が書けることも内緒にして、薬の知識があることも秘し、顔もそばかすだらけの顔にしてひっそりと過ごしていました。2年間やり過ごせば年季明けとなり、帰ることができるのです。一言で後宮と言っても、スキルのある人はそれを活かした仕事に就くものです。裁縫や料理の知識があればその方面に、物書きかできればさらに範囲は広がります。しかし何の取り柄もない場合、洗濯係か定番ですね。多くの小説で洗濯係は下層とされています。汚れ仕事、冷たくて辛い、スキルがいらないなどがその理由なのでしょう。猫猫は必要とか言われて長く後宮にいることは望んでいません。という訳で、自身のすべてのスキルを隠し、洗濯係として過ごしていました。しかし、皇子や公主の亡くなる割合が高く、その母親たちも体調が悪いことを知り、つい原因を調べてしまい、そこから薬の知識があることもバレてしまうのです。猫猫は薬の知識を買われ、毒味係として妃の側仕えに出世してしまうのでした。知識は武器だな〜って思います。知らなければハマってしまう穴を知識があれは回避できるのです。例えばその白粉はいままでの白粉より肌を白く見せる効果が高く、重宝がられていました。しかしその白粉には体に毒となる成分が含まれており、使うほど体調を悪くして、顔色も悪くなり、ますます濃く白粉を使う羽目になっていました。猫猫はその白粉が有害であることを見抜き、他にも様々な問題を解決していきます。知らない人には魔法でも使ったかのようですが、前提となる知識の量が違うのですね。ちなみにあれ程嫌だった後宮も毒味係となってからは仕事は楽で薬草を探しに行く時間も取れるし、うまく行けば毒に遭遇できるしということで非常に幸せな(?)場所となったのです。宦官の壬氏にも気に入られ、猫猫の今後の活躍に期待です。