【書籍感想】終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?
書籍の感想です。今回は「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」です。終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? (角川スニーカー文庫) [ 枯野 瑛 ]世界観に引き込まれる。そして聖剣もステキ。弱いのに世界を支配していた人間族。他種族のような筋力があるわけでもなく、エルフのように強い魔力があるわけでもなく、ドラゴンのような絶対的な力があるわけでもない。それなのに人間族は世界を支配していた。そんな人間族は獣を呼び寄せてしまった。17匹の獣の力は規格外とも言うべきもので、一年を待たず世界は滅んだ。住めなくなった地上を離れ、人々は浮遊島に逃れた。「人々」の中に人間族は含まれていない。人間族は滅び、猫族や爬虫人、緑鬼族が細々と暮らす。そんな世界。ヴィレムはたったひとり残った人間族。まだ地上に人間族が暮らしていた頃、敵と戦っていた英雄ともいえる存在だった。彼が数百年も経ったこの世界にいるのは偶然も大きい。最後の戦いで力を使い果たしたヴィレムは石化してしまい、そのまま何百年も捨て置かれていたのです。そんな展開だから、ヴィレムが活躍して世界を救うのかと思ったら、そうはならず。なぜなら彼の体はボロボロで本当は動くこともやっとだから。だから魔力を燃やして聖剣を振るうなんてことはできないのです。そして現在、その聖剣を振るうためだけに生かされたレプラカーンと呼ばれる妖精族。彼女たちは聖剣を振るい、それでもだめなら聖剣で魔力を暴発させて敵を倒すのです。そんな自爆も前提の戦い方にヴィレムの心も次第に動かされていくのです。でもヴィレム自身は戦えないので、聖剣の使い方を教えるのが精一杯。そして獣との戦いに送り出すこととなるのです。彼女の帰りを願ってバターケーキを焼くのでした。絵と文体はすごく軽いのに扱っている話はすごく重いです。そんなところも魅力です。戦いに向かったクトリは帰ってくるのかな?2巻が楽しみです。