【書籍感想】11文字の檻 青崎有吾短編集成
書籍の感想です。今回は「11文字の檻 青崎有吾短編集成」です。11文字の檻 青崎有吾短編集成 (創元推理文庫) [ 青崎 有吾 ]タイトルの通り短編集です。一言で短編と言っても2,3ページで終わってしまうものもある一方で100ページ程度あるものまで様々です。前書きを読むと、この本に収録された作品は色々な場所で発表されたものをまとめたものなのだそうで、テーマが「2000文字でどんでん返しがあるもの」などとなっていたりするため色々な雰囲気の作品が楽しめます。私がその中でも楽しいと思ったのは表題作の「11文字の檻」です。こちらは書き下ろしとのこと。ある日目を覚ますと収監されていた。政治犯として逮捕されてしまったのだ。その檻(刑務所?)を出るためには11文字の日本語のパスワードを回答しないといけない。ヒントは「政府に恒久的な利益をもたらす11文字の日本語」という曖昧なもののみ。政治犯に国威発揚的な文を考えさせるという悪意ある檻から縋田は脱出できるのか?という感じのお話です。このほぼノーヒントという状況から少しずつ情報を集めていく様はなかなかワクワクします。縋田は元小説家、しかも官能小説を書いています。その辺も伏線になってるところが凄い!面白かったです。