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プロフィール

麻生 百合之介

麻生 百合之介

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2005年01月08日
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お待たせ!


 正月気分の抜け切らない世間様を尻目に出仕初日からタボーだったんで更新できませんでしたが、満を持して更新します。それでは始まり始まり~♪



”ぶ・ら・り途中下車の旅 ~ 御庭番・憧れのハワイ航路~ ”




師走弐拾九日 未の刻


 
 この日は目が覚めたら朝からとっても寒かった。空はどんより曇っていて、何やら今にも降り出しそうな雰囲気。御庭番は朝餉を食い終わるやすぐさま海外進出の準備に取り掛かった。放浪の旅に慣れている御庭番の手持ちの荷物と言えば



褌と袴のみ。


 他には普段持ったことの無い位多額の。海外に行くからって梅干とか持ってっちゃう輩とは違うんですよ、拙者のようなジプシー侍は。少ない荷物を忍冬唐草文様の風呂敷に包み、庭先で煙管を噴かしていると、




「おいっスッ!」



 と屋敷の庭先から声が。見れば、祖父の葬式以来に会う叔父の姿があった。


『おお、叔父上、今日は見送り申し訳ござりませぬ。相変わらず冬なのに日焼けで真っ黒ですな。』


「OH、百合之介、You、また一段と老けたんじゃないかい?HAHAHAHAHA~♪


 おかんのおととに当たるこの叔父は、根っからの遊び人で、一年中日焼けで真っ黒役人である。近隣に住んでいるのだが、今回の旅の送迎役を買って、大八車を引っ張って来ていた。すると屋敷の奥から・・・



愚父


「おお、義弟よ、よう来た、よう来た。まあ、上がって一杯青汁茶でも呑んで行け。」




おとと


「あ!叔父貴じゃん!ちは~♪」



と、愚父と愚弟が出てきた。




「・・・・二人とも何だその格好。。。。(--;)」




 見れば二人のイデタチは完璧な冬の装い。



『二人とも・・・これから我らは常夏の島に行くんだぞ。その格好で行く心算でござるか?』


「だって寒いじゃんかよ。この調子だとハワイも寒いよ、きっと。


「そうそう。ハワイに行く前に風邪でも引いたらどうする。」



『いや、その心配は全く無いと思いますが・・・(--;)』


「まあ、いいじゃんかよ。着ているモンはミーが帰りにあずかるからさ。HAHAHA~」




そこへ・・・




「おや、もう来たのじゃな。さればそろそろ出立致しましょうか。百合之介、荷物を持ってたもれ。」




と、



おかん


凄い重装備のおかん登場。



『・・・母上。その格好で旅立つおつもりか?(--;)』



「え?何かおかしいかの?」



「・・・ああ、凄くヘンだよ、Myシスター。まるでスキーに行くみたいだ。」



「そうかのう。必要な物だけ揃えたらこうなったんじゃが。」



『・・・その、ペットボトルは何でござるか?』



「これは母が毎日飲んでいるドクダミ茶じゃが何か(゜▽゜)?」



「あ、そうじゃ、ワシも飛行機で呑む時のつまみにお歳暮で貰ったハム入れといた。」



「ああ、そうだ、俺も飛行機の中で腹減るといけないと思って饅頭一箱持ってきた。






・・・・って。。。





『いらねぇだろそんなモン!全部捨ててけ(T▽T)!!』



 おとんは奉公の関係で度々海外に行っているが、付き人無しの旅は初めて。おかんはおとんと欧州旅行に行ったことがあるがその時は添乗員付き。更におととに至っては海外旅行は初めてで、




物凄く不安です。
(T▽T)





その時、




「な?なんだ?」


 と叔父が天を仰いで叫んだ。釣られて御庭番が薄暗い空を見上げると―。





物凄い勢いで雪が。



「Oh!これはヤバイ!早く乗れ。この勢いだとすぐに積もるぞこのSNOWは!!」


 と、促されるままに叔父の大八車に乗り込む麻生家の一族。案の定雪の勢いは止まることを知らず、大八車はあっと言う間に雪を被った。



「よ~し、それじゃLet's Go!」


 大八車はぶりぶりと言う音を発てて発進し、雪が降りしきる中をドクダミ茶持って一路成田へ向かった。






師走弐拾九日 酉の刻




と言うことで成田到着。



 案の定空港は結構な混雑。麻生家の一族は、手荷物の検査を受けると、見送りに来てくれた叔父と共に軽い夕食を済ませた。搭乗時間が近づいたので、若干一名を除きお登りさん丸出しな愉快な一家は搭乗口へ。そして機上の人となった。



「百合之介。」



『なんでござるか?』





どんっ




呑(や)らないか。



 飛行機が離陸するなりそう言って、おとんが取り出したのはとーぜん酒。



『あのですな、父上、飛行機の中で酩酊すると法律で罰せられるのをご存知か?』



「ふっ、それしきのことワシが知らんとでも思うてか?」



『されば少し謹んで―。』



「あほう。呑んじゃいけない訳ではあるまいが。酩酊しなきゃいいんじゃ。



 人の制止も聞かず、酒を呑み始めるおとん。すると横に居るおかんが、



「のう、百合之介、機内食って出るのかのう?ちょっと聞いてたもれ。英語で。



『さっき食ったばかりではありませぬか。もうメシの心配でござるか(--;)?』



「よーよー、兄貴、ハワイまでどんくらい乗ってんのよ?ちょっと聞いてくれよ。英語で。



『七時間位であろう。気流の関係もあるから少し前後するやも知れんが。』



「おい、百合之介、葡萄酒頼んでくれ葡萄酒。英語で。



『その酒呑み終わったらになされ。飛行機の中は酒に酔い易いでござるぞ。』



「百合之介、寒いからちょっと毛布借りてたもれ。英語で



『座席にあるでござろう。不足なら拙者のを貸して進ぜます。』



「なーなー兄貴―」「おお、そうじゃ、百合之介―」「百合之介、トイレは何処じゃ?」








『じゃかましい!!はよ寝ろ
(T▽T)!!!』



 御庭番は前日も深夜まで残業で睡眠不足の為に苛立っていた。その剣幕に怯んだのか、おとん達はその後は少しは遠慮がちになったんで、



(あー、これでやっと眠れるな・・・)



と、うとうとしていた











どん。





どんっ






どんッ!






て・・・





誰だ拙者の背中蹴ってるヤツは
(T▽T)



 振り向くとそこにはクソ生意気そうな童子が。



『ボウヤ。背中どんどんされるとお兄ちゃん眠れないからカンニンな。』



と、優しく言うと、





「やだ。」



とかのたまうじゃありませんかこのクソ餓鬼様。



『あのな、お兄ちゃん困るんだよね、寝れないから。ほら、ボーヤのお父さんとお母さんもしっかり寝てるだろ。だからやめようね。』



「やだ。」




『ヤダじゃないてば。ほら、他の皆も寝ているからボウヤも早よ寝れ( ̄▽ ̄;)。』




「眠くないからやだ。」




『じゃ、じゃあ寝なくてもいいから大人しくしてな。坊主』




「つまんないから、やだ。」







御庭番怒る


『”やだ”じゃねぇだろこのクソガキっ!さっさと寝ろッ!!』




と、脅かしてやったら・・・





「うわぁぁああぁぁん!!」




泣き出しやがりましたこのガキ
(T▽T)。



 慌てて飛び起きるガキの母。御庭番がここぞとばかりに苦情を言ったら、この母親、平身低頭に謝るんで、拙者も怒りを沈めて寝ることに。で、よーやっと落ち着いて眠れると









思ったら今度は機内食のサービスが
(T▽T)




 ハワイとの時差は約壱拾九時間。現地に着いたら朝なので、機内で少しでも睡眠を取れとハワイの歩き方に書いてあると言うのに、





後ろのガキは相変わらずもぞもぞ何かしとるわ






隣の席の見知らぬオッサンの鼾はうるさいわ





前の座席の赤ん坊は泣き出すわで






御庭番ちっとも眠れません
(T▽T)。




 出だしから先が思いやられるこの旅、睡眠不足のまま次号へ続く―。





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最終更新日  2005年01月09日 02時45分07秒
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