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お待たせしました約630日振りに日記を更新! ・・・・で、どっから話せばいいんだっけか? (何しろ弐年前のネタだから記憶が・・・ーー;) ちょっと前回の説明から入った方がいいかも知れんので、”あらすじ”をば・・・ わかりましたか? (映画っぽくていいでしょ?) それでは本当にお待たせしました、『軽井沢”愉快”案内~其の弐~』の始まり始まり~♪ その日は、前日からの雨で、生憎の曇天であった。 そんな中、日本列島の最東端から上州嬬恋の里を目指す大八車が1台、道無き道を走っていた。言わずと知れた御庭番・麻生百合之介と、その愚父、麻生木瓜左衛門である。 この日も、木瓜左衛門は、御庭番が大八車を引っ張るのを良いことに、酒を呷っていた。 ガラガラガラ・・・ 「のう、百合之介よ・・・」 「なんでござるか?」 御庭番は既に一刻余りも独りで大八車を引っ張り放しなので、汗だくであった。この先には”峠の釜飯”で有名な碓氷峠の急坂が待ち構えている。体力を温存する為には返事をするのも厭わしい程であったが、ぶっきらぼうに返事をした。 「軽井沢はまだかの?」 「この先が碓氷峠です故、後、一刻程かかりまする。」 峠が近づいてきた為か、上り坂が続いている。雨でぬかるむ山道に、御庭番は何度か足を取られた。 「父上、くれぐれも申しておきまするが・・・」 今から行くのは軽井沢では無い。と、御庭番が言おうとすると。 「言うな。言いたいことは分かっておる。したが、軽井沢と言っても広いでな。ワシが買うたのは紛れも無く軽井沢の別荘じゃ。」 (違うと言うておるのに・・・) 頑なな愚父の態度に、流石の御庭番も閉口していた。しかし、今現実に引き戻すことは御庭番には偲びなく、このまま現地に行って、目を覚まさせてやるのが真の親孝行だと思い、後は黙然として大八車を引っ張って行った。 碓氷峠を越えるのは難儀であったし、御庭番は朝から走り詰めであったので、天下に名高い峠の釜飯を食って一休みしたかったが、 「はやく、はやく~」 と言う愚父の為に空腹に耐え、汗まみれになって峠を越えた。 「おー!よーやっと見えて来たぞ!倅よ、あれがお大尽の憩の街、軽井沢じゃ!!」 軽井沢 を無情にも通過 ガラガラガラ・・・ 「倅よ!何処へ行くんじゃ!あ、ほれ、あんな所に若き日のお上が庭球に興じたと言う球技場が!」 「父上。我らの目指す地はもう少し先でござる。」 「えー、だって~」 「住所が全然違うでござろーが。もう少ししたら着きまするから、大人しくなされ。」 「むむぅ・・・止むを得まい。」 愚父も流石に避暑地の一等地の別荘を300万両では買えないと思ったのか、それ以上は何も言わずに、大八車の上で酒を呷った。 それから半刻程、御庭番はひたすら大八車を引き続けた。折悪しく天候が悪化し、目指す嬬恋の里に向かうもうひとつの峠を越えようとした時は物凄い大雨に。海に行っても山に行っても天気最悪と言う御庭番のジンクスはここでも生きていたのだった。 山道を登ると、段々周囲の風景が荒涼とした岩石が目立ち始めた。 「なー百合之介ー」 また愚痴を言い始めやがったなと思ったが、御庭番は知らんぷりしていた。道はゴツゴツとした岩ばかりが目立つガレ場で、喋ると舌を噛みそうな位、大八車が御庭番の腰で暴れまわっていた。 「まだー?ワシ疲れたー。」 「もう少し行くと”王子の国”と言う別荘地がありまする。」 「をー、そこがワシの買った別荘がある所じゃな!?」 「違います。父上が購入されたのはそこから更に奥に行ったところでござる。」 「なに!?まだ先なのか?何時になったら着くんじゃい。」 「我慢めされい。あ痛ッ!こ、この山道を越えれば、ぐっ!後、半刻程です故・・・」 「ナヌーッ!?まだ、壱時間もかかるのかっ!?」 「・・・この先は獣道故、ここで拙者が舌噛んで死んだりすると、父上はこの姥捨て山に置き去りになりますがよろしいか?」 「む・・よ、良きに図らえ!」 愚父はその後、盛んに杯を呷り、やがて眠りについてしまった・・・・。 愚父の高鼾に煩わされながらも、御庭番は黙々と大八車を引き続けた。”王子の国”を通り過ぎた頃には雨も上がっていたが、陽は中天を傾き、午後に入らんとしていた。 (はて・・・?) 御庭番は林道の途中で大八車を停め、腰にぶら下げた手拭で額の汗を拭うと、懐から地図を取り出した。汗の匂いにつられて、五月の蠅が御庭番の周囲に集った。 (もうそろそろ着いてもおかしくないのだが・・・) 姥捨て山から王子の国を横目に通り過ぎ、右に左に林道を走り続けて小半刻、目指す愚父のベッソーはもう間近の筈である。しかし行けども行けども新緑深い山道が続くばかりで、およそ別荘地らしい処は見え無かった。 (道を間違えたかな?) 御庭番は止むを得ず、大八車の上で腹を出し、小脇に酒瓶を抱えている愚父を揺り起こした。 「父上、父上―。」 「ん・・・ぉぉ・・着いたのか?」 愚父は酒臭い息を吐き出しながら起き上がった。 「いや、どうもこの辺の筈ですが、目指す山小屋が見当たりませぬ。」 「山小屋ではない。別荘じゃ。」 「・・・失敬、別荘でしたな。したが、この辺り、人気も無く、どうやら廃村の様ですぞ。幾らなんでもこんな山奥に別荘があるとは思えませぬ。」 「行ってみなきゃ分からんであろう。どれ、ワシが今度は大八車を引っ張って進ぜよう。」 御庭番は愚父の引く大八車には乗らずに後ろを押してついて行った。すると―。 「おお!この辺りの風景は売人に聞いていた風景と一致するぞ!確かあの白樺の林を右に行った所に・・・ほれ、屋根が見えるではないか!あそこじゃ!行くぞ、百合之介!!」 大八車の車輪の音高らかに、愚父は酔っ払いとは思えない凄い勢いで林道の曲がり角を曲がった。その角を曲がった先に、愚父の永年の夢であった― 軽井沢の別荘があるはずです 「父上、そんなに急かんでも山小屋は逃げませぬぞ!」 「わはははは!この角を右に曲がればもうそこじゃ!落ち着いていられようか!!」 そして角を右に曲がったその時― 「それっ!ここがワシの汗と涙とゲ○の結晶じゃッ!!!」 ・・・(゜ー゜;)(゜ー゜;) (T▽T)(T▽T) なんじゃいこりゃーーーッ!! 「なっ!こっ、こっ、これはッ!」 「落ち着きなされ父上!したがこれは―。 (えいっ、もういっちょう(T▽T)w) 「・・・ま、まあ、お気の毒とは思うがこれが現実、父上、目が覚めたでござりましょう?」 「(◎O◎)・・・・」 (むぅ・・・ショックで気を失っておられるか・・・無理も無い。) 愚父の心中察するに余りある・・・と,御庭番は山小屋と言うのも憚られるあばら家の中へと踏み入った。 「父上、ほれ、思ったよりこのあばら家、しっかりとした造りになっておりますぞ。3LDKの一戸建てじゃ。凄いな~、父・・・」 父上・・・と言おうとした瞬間、御庭番とその愚父の目の前に・・・ ≡(ノT▽T)ノ (メT▽T)メ あわわーーッ! ギャーーーッ! 遠路はるばる海から山へとやってきた御庭番とその愚父、二人は一体何を見てしまったのか・・・軽井沢の恐ろしい1日を綴ったこの日記は、後半へと続く― お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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