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(あらすじ) 人里離れた山奥で、愚父とオヂと共に崩壊寸前の山小屋を修理するハメになった御庭番。山小屋の中は前の住人が炊いたバルサンの所為で、異様な数の虫が、死臭を漂わせながら横たわっていた。なんとかその場を逃げ出そうにも大八車の鍵は愚父が握っているので逃げることも適わず、嫌々ながら山小屋の清掃を始める。しかし、その山小屋に”あらたなる危機”が迫っていた―。 三人が山小屋の奥に進むにつれて、その恐ろしい全貌が次第に明らかになっていた。 崩れ落ちた壁 剥がれている床 腐りかけた階段 これはもう― 人様が棲める環境ではございません (T▽T) (くどいようですが元がこんなカンジ) 取り合えず御庭番とその関係者は床一杯の虫の屍骸を箒で掃き出して行った。虫はカミキリムシやダンゴムシ、カナブンやマイマイカブリ等、標本にできるんではないかと思う程の量であった。掃き出し終わった後には、割れた入り口の石段の上に蟻塚みたいな虫の屍骸の山ができあがった。 「凄い数ですな(--;)。」 『うむ。佃煮にできる程じゃな。』 「拙者も随分山小屋を泊まり歩いてきたが、こんな死が充満した悲惨な山小屋は見たことがございませぬ。」 『山小屋ではない。別荘じゃ。』 「・・・・(ーー;)。。。」 御庭番はもう反論する気力も失せていた。するとそこへ― 『HEY!ブラザー&百合之介!ちょっとこっちカモンしてトゥゲザーしてみろ!」 と言うオヂの声がした。 『どうした義弟よ。』 今度は猫か蛇の死体でもあったのかとうんざりしながら御庭番は愚父の後について行った。すると奥の部屋の窓を開けて、広い縁台にオヂが立って言った。 と言って指差す先は― 一面のパノラマでございます。 『おー絶景かな、絶景かな』 『見晴らしがいいぢゃないかhahaha~♪』 『こーして下界を見下ろしていると、何だか自分がエラくなった気がするのー』 と大人げも無くはしゃぐオッサン達。 「ふ・・・大人気も無い。まあ、バカと煙は高い所に昇りたがると言いますからのぅ」 するとすかさず・・・ 『じゃ、お前が一番バカだろ。山登ってんだから。』 って、ステレオで言われました。ちくしょう(--;)。 しかし、愚父とオヂの言い得て妙なハモリの通り、高い所に登りたがる御庭番も、丸太で組まれた縁台に出て風景を楽しむことに。初夏の陽射しが眩しい中、新緑を煽る清涼な風が、御庭番の月代を涼し気に通り過ぎていった。 『あーいい気分じゃ』 『あの虫の屍骸の山にはうんざりさせられたが、このバルコニーだけでも十分な価値があるなブラザー』 と、愚父とオヂが山小屋気分を満喫している横で、御庭番はふと、縁台の足下を見た。 だって― 凄い絶壁が足元に (T▽T)(飛竜直下三千尺) と、御庭番が息を飲んだ瞬間―。 ”みしっ” って音が(T▽T)!! ミシミシ・・・ 『?な、何か揺れてないか義弟よ・・・』 ビシッ!ビシビシ・・・ 『??風の所為じゃないか?それとも夕べの酒がまだ残っているのかい?ブラザー?HAHAHA~♪』 グラグラグラ・・・! 「いや、確かに揺れてますぞ。ってか地震じゃこれ!!」 どどどどどどぉぉぉっっ!! ・・・って 巨大地震発生 (後でラジオで聞いた話では震度4だったらしいが) 「おわわわわっ!アブないっっっっ(T▽T)」 『OH!け、結構BIGだぞ!逃げろ!!』 『どけどけっ!ワシが先じゃーーーーーッ!!』 腐りかけの山小屋等、大地震でも起これば一たまりもない。さっきまでのほほんとしていた御庭番とその関係者は我先にとばかりに醜く争いながら汚い山小屋に転がり込んで逃げた。さながら、ライオンに襲い掛かられてパニくっているヌーの群れの様だった。。。 閑話休題 (意味が分からない人はお父さんお母さんに聞いてみよう) 地震は30秒もしない内に静まり、再び鳥の囀りが聞こえ始めてきた。 『ふーっ。何とか収まったようじゃな・・・』 『ああ。流石にミーも驚いたよ。ブラザー。しかし、さっきの百合之介の逃げ足の速さは凄かったな。』 「こんな人里離れた山奥であんた方と一緒に野垂れ死になんて御免蒙ります。まだ結婚もしていないのに。」 『結婚しないんじゃなく、できないんだろ。馬鹿だから。』 『そうだ、百合之介。日本語は正しく使わなくちゃ行けないぜ。HAHAHAHA~♪』 言われたないわ!! (T▽T)」 (特に後者) 『うるさいのぅ・・・全く人間がちっちゃくて声のデカイヤツじゃ(--;)』 『HAHAHA~♪まあ、そういきりたつなよ百合之介。とにかく早くこの別荘を直して、マウンテンライフをエンジョイしようぜ♪』 (本当にここを使うつもりかこいつら・・・(--;)。。。) 御庭番は無駄なあがきと思ったが、愚父の永年の夢と、オヂの顔を立てて、その場は治めて、山小屋の修理を手伝うことに。虫の屍骸は粗方掃き出し終わったので、先ほど剥がし終わった壁を御庭番と愚父、床をオヂが直す段取りをして、銘々作業に取り掛かった。 トントントントン カンカンカン 昼下がりの山奥に軽快な槌音が響いた。時折材料を取りに小屋の外に出ると、鳥が驚いて羽ばたいた。ちょっと離れた白樺の林の中からは百舌のさえずりが聞こえて来る。長閑な山奥の雰囲気に、御庭番も機嫌を取り直し、作業は順調に進んで行った。 「思ったより基礎や柱はしっかりしていますな。父上。」 『うむ。これなら壁と床さえ取り替えれば立派な別荘になるであろう。』 『和室の畳と襖は入れ替えないともう使い物にならないな。ちょっとフレンドに連絡しておくよ。』 『ああ、頼む。なるべく安くな。』 「ところで父上。もう一刻も働きっぱなしで拙者腹が減り申した。そろそろ昼餉に致しませぬか?」 『おお、そうじゃな。昼飯にするか。母さんが作ってくれた弁当が車の中にあるから、百合之介、ちょっとお前取って来てくれ。ワシらは湯を沸かしておくから。』 「かしこまった。」 御庭番が額の汗を拭いながら、珍しく素直に立ち上がって、壊れた扉をガタガタ言わせながら出ると、所々欠けた石段を降り 御庭番と汚い山小屋の目の前に― とんでもない珍客が(T▽T) さてさて、蛇に睨まれた蛙ならぬ、イノシシにガン飛ばされた御庭番の命はいかが相成るでしょうか、この続きは次回をご覧下さい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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