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ニュージーランドは日本から東南へ約9000km離れた南太平洋に浮かぶ島国である。日本からニュージランドへのフライト時間は壱拾時間超。腰痛持ちの御庭番にはいささか不安な旅程であったが、御庭番は狭いシートに座り、只管飛行機が到着するのを待ち続けた。機内で夕食と朝食が出たが、御庭番が搭乗している飛行機には、日本人とニュージーランド人のアテンダントが同行していたものの、オバンで愛想の悪い女給ばかりで、余り快適な空の旅とは言えない旅であった。
朝食を食べ終わると、日除けを下ろした窓の隙間から光が挿し込んでいる。御庭番が日除けを開けてみると― ニュージーランドの風景が 眼下に広がっています。 ”ご搭乗の皆様、おはようございます。只今より入国カードをお渡ししますので、機内にて記入をお願い致します。” 御庭番は旅行代理店から入国カードを貰っていて、既に記入済み。隣の席の日本人のオバハンが書き方が判らない様子なので書き方を教えた後は窓の外の風景に視線を落した。飛行機は晴れ渡るニュージランドの空を悠然と飛び、やがて高度を下げ始めた。眼下に広がるのは初夏の陽射しを受ける広大な平野と、大きな湖沼と川。都心部は整然と区画された道路と建物が目立つが、都市を外れると明らかに違う光景となる。間も無く飛行機は着陸の衝撃を感じること無くランディングした。 ビジネスクラス組を優先的に降ろした後、続いて貧乏人共もこぞって出口へ。ARRIVALと書かれたゲートをくぐると、オークランド国際空港の長い廊下を抜け、御庭番は入国審査を受ける為にIMMIGLATIONへ。他の便で到着していた乗客が既に列を成しており、御庭番はパスポートと入国カードを持って列の後ろに並んで順番を待った。無愛想な入国審査官の質問に片言の英語で回答すると、パスポートに許可印を押されて無事通過。続いてBAGGAGE CLAIMの”NZ90”と言う表示の前で待っていると、預けた荷物が流れて来た。御庭番は荷物を取り上げて続け様に検疫を受ける為、QUARANTINEに並んだ。 「Good Moning. Do you have something food?」 『のー。あいひゃぶなっすぃんぐ。』 「OK.Turn back please.・・・lift up the foot and show your shoes.・・・Good.Welcome to NewzeaLand.」 『せんきゅー。』 検疫も無事通過。そして― 遂に御庭番はニュージーランドの 地に降り立ったのである! とは言え、オークランドはあくまで通過点に過ぎない。御庭番はここから更に国内線に乗り換えなければならなかった。出発までまだ時間もあるので空港のロビーを出て一服していると、目の前に何かの像が立っている。この像のある所から国内線のターミナルへ向かう無料のシャトルバスが出ていることに気が付いた御庭番は、ロビーに戻った。オークランド空港は国際線ターミナルと国内線ターミナルが1kmも離れているので、シャトルバスに乗って移動しなければならない。空港の周辺は何も無いので、さっさと国内線への乗り換え手続きを済ませてしまおうと思ったのである。国内線の乗り換え手続きもすんなり完了し、御庭番はシャトルバスの乗り場へと戻った。 先程の像の前で暫く待っていると、やがてシャトルバスが来た。他の乗客は無く、御庭番の貸切状態である。10分も経たない内に国際線のターミナルへ到着。オークランドは港町として有名な為、国際線にはヨットの帆を模したモニュメントがあったが、国内線の建物は国際線と比較して簡素な造りである。時間潰しするなら暫く国際線のターミナルで過ごした方が良かったかなとちょっと後悔したが、戻るのもバカバカしいので、国内線の空港をプラプラ歩いていると、前から来た中国人らしい女性が、英語で何やら話し掛けて来る。どうやらトイレを捜しているらしい。御庭番は一通り空港の中を歩いてトイレの位置を知っていたので、場所を教えてやったのだが拙者も同じオノボリサンなのに何故何処へ行っても他人に道を聞かれるのか不思議だ(--;)。御庭番は国外に行くと明らかに日本人で無い人に道聞かれたりする。日本でも外国人によく道聞かれる。GジャンGパン手ぶらのイデタチではとても旅行者には見えないのも無理は無いが・・・。 一時間程時間を潰していたら、やがて搭乗手続き開始のアナウンスが流れた。御庭番が搭乗する飛行機はまだ到着していなかったが、さっさと身体検査を済ませて搭乗ゲートへ。搭乗口の前のロビーには誰もいない。またも貸切状態のロビーで、ソファーに横になって飛行機の到着を待った。すると、エスカレーターを上がって来たオバチャンが、慌てた様子で従業員専用の扉をガチャガチャやっている。徒事ならぬ様子なので、御庭番が、 『めぃあぃひぇるぷゆー?』と声を掛けると、 「Yes, it searches for the lavatory. 」 (ーー;) 御庭番が現在地から近いトイレを教えてあげると、オバチャンは小走りにトイレに向かって行った。それから一時間程経って飛行機が到着。御庭番は今度は通路側の席に座ることに。飛行機は定刻通りに出発した。さあ、次は”女王陛下が滞在するに相応しい街”Queen's Townだ!! クイーンズタウンへは2時間のフライトである。窓側にはどうやら国外から来たと思われるヤンキーのカップルが座っていたが、やがて、 「Oh! Beautiful Sight!」 と窓側に座っている女が声を上げた。声に誘われて御庭番が窓の外に視線を向けると、 OH!ワンダホー!! ニュージーランドは師走からが本格的な夏。つまり長月の今頃はまだ初夏である。初夏の山と言えば、残雪が日増しに強くなって来る陽の光を浴びて輝きを増す時期であり、山を愛する漢には辛抱堪らん光景であった。 やがて飛行機はクィーンズタウン空港の滑走路に滑り込む様にして到着。オークランド空港の時とは違い、御庭番は到着口から直接BAGGAGE CLAIMで荷物を受け取って、空港の外へ。 クィーンズタウンも快晴でございます。 陽射しは強いが風は快地好く、御庭番の足元に寄って来る雀は日本の雀よりも一回り大きく、囀る声も何処と無く違う。御庭番が今夜泊まる宿はワカティプ湖の畔にあるリッジス。クィーンズタウン空港からはそう遠く無い距離だ。 タクシーを利用することにした御庭番は、乗り場に向かうと先頭で待っている女性ドライバーのタクシーに乗り込んだ。 「Where Do you come from?」 『とーきょー、じゃぴゃぁん』 キャシーと言うドライバーは気さくに話しかけてくるが、こちとら公式には英検4級の英語力で余り会話は上手く続きません。 「sightseen?」 『ぃやぁ。あぃる じょぃん とぅ ざ みるふぉど とらっくず とらんぴんぐ。はぅ あばぅつ つもろぅず うぇだー?』 「I think that it is fine.」 『ぐぅっど。あぃ ぅぉんとぅ ぅぃっしゅ そぅ』 キャシーは途中、”スカイラインコンプレックスから見るクィーンズタウンの景色が良い”と教えてくれたが、御庭番は早く宿に着きたかったので、『5日後に戻ったら行く。』と告げて、そのままホテルへ直行して貰った。 ホテルに到着してタクシー代を払い、ホテルのレセプションへ。旅行代理店からバウチャーを得ていたので、その予約確認書とエクスプレスカードを提示して、部屋のキーを貰った。この日のルームNo,は222。2階と言いながら、レセプションとロビーが地下1階なので、実質的には3階と言うことになる。そしてこの部屋である事件が起きるのだが、この時、御庭番はそんなことは露知らず、部屋の中に入ると荷物を紐解いて、旅行代理店から貰った資料に再度眼を通した。今日はこの後、トランピングを主催するアルティメットハイクス社に行って、明日以降の山行の説明を受けることになっている。 しかし、説明会は17:00からで、まだ時間がある。御庭番は胸に秘めていたあるミッションを遂行する為、部屋を出てレセプションへと戻った。 『いくすきゅーずみー。あーひぁー じゃぁぴゃにぃず すぴぃかー?』 シンディと言う受付嬢にそう言うと、奥の部屋からキョウコと言う日本人受付嬢が出てきた。 『あのー、日本に電報を打ちたいのだが、こちらでお願いできまするか?』』 そう、振り切って来たものの、やはり上士・堀衛門の華燭の典に華を添えるべく、御庭番はテレグラフ フロム ニュージーランドを企んでいたのである!! 「え?電報ですか?こちらでは取り扱っていません。」 想定内の返答であったので、 『では、近くに郵便局はござらぬか?直接出向く程に。』 と、大した英語力も無い癖に、御庭番は無謀なことを言った。キョウコはシンディと何やら話し込んでいたが、やがてカウンターに戻って来てこう言った。 「あのー、郵便局は街にあるんですけど・・・今工事中で場所が少し離れた所に移ったんですよ。今日は土曜日なので16:00で終了の筈なんですけど。。。」 16:00ですと (T▽T)? 現在15:20分。つまりあと30分しか時間がございません。御庭番は慌てて郵便局の場所を聞いてホテルを飛び出した。明日から5日間は山の中。そしてニュージーランドから電報を送る場合、3日の時間を要する。つまり、今日を逃すと電報遅れません。 御庭番は長旅の疲れも吹っ飛ばす勢いでホテルを出て、街の中心部へ突っ走って行った―。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年12月16日 02時59分33秒
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