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プロフィール

麻生 百合之介

麻生 百合之介

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2007年12月24日
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カテゴリ:カテゴリ未分類



サンカシャガヒトリオオイ・・・





あり得ない現実に御庭番を除く一同の不安は募るばかりであった。トモヨが再び人数を数え始めた其の時、



「I am not a participant!」




と、ゲラゲラ笑いながら飛び出して行ったオナゴが一人。御庭番の横に立っていた女性である。何のことは無い、トモヨがガイド仲間とハグしている間に、ミルフォードサウンドから帰ってきたバスの中の一人がコッソリ紛れ込んでいたのであった。


「No!I counted twice too!!」

トモヨが苦笑いしながらホッとした表情で叫ぶと、一同爆笑。無事笑顔を作って集合写真を撮ることができたのであった。



大笑い




集合写真を撮り終え、御庭番一行は再びバスに乗り込んで一路テ・アナウ湖の北端へ。ミルフォードトラックの入口に入るには、テ・アナウ湖を船で渡らなければならない。小半刻程バスに揺られ、テ・アナウ湖の北端に着いた御庭番はフェリーに乗り込んでミルフォードトラックへと向かった。船の中で船長が何やらガイドしているが、相変わらずサッパリわからないので、御庭番は甲板に出た。天気は良いが、湖の上を結構なスピードで奔るので風が冷たい。と、御庭番の傍らに、背の高い若いヤンキーが。先程合流した男性ガイドである。



「Good wether.but It is cold for a moment.・・・What your name?」」



『いやぁ、いっと めぃ びぃ ふぁぃん。・・・まぃ ねぇぃむ ぃず ゆりのすけあそー。だす ゆぁ ねぇぃむ?』



「Chris.How do you do.」


クリスは弐拾参才の大学生で、来年学校の先生になると言うヤンキーであった。御庭番とクリスが挨拶している所に激しい波飛沫が飛んできて、全身にかかるので、二人で慌てて客室に戻った。



フェリーは半刻弱で目指すミルフォードトラックの入口に辿り着き、簡素な桟橋に横付けした。下船の際は誰の物でも良いから荷物を持って降りる様に言われたが、御庭番すぐ目の前に置いてあった自分の荷物を持って下船した。ミルフォードトラックの入口に繋がる桟橋には薬品を満たしたコンテナがあって、入山者はここで靴を消毒しなければならない。御庭番は一行の誰よりも魁て靴を消毒し、遂にミルフォードトラックの地を踏んだのである!!





と同時に・・・




御庭番サンドフライに襲撃される!!




が、こずえさんに薦めて貰った虫除けクリームがバツグンの効果を発揮し、サンド・フライは御庭番の周辺を飛び交うも刺されることは無かった。


「サンドフライは、何故か写真を撮りたい所とか景色の良い所に沢山いますから余り長く立ち止まらない方がいいですよ。」と言うトモヨの言葉に従い、御庭番はそそくさと歩き始めた。目指すグレイド・ハウスはここから半刻程の距離である。


御庭番が参加したトランピングツアーはガイド付きとは言え、ガイドはピッタリくっついて歩く訳では無く、先頭と中間、最後方に分散する。故に歩く人も銘々気侭に歩けば良く、英語が喋れなくて協調性が無い御庭番には好都合なトレッキングであった。御庭番は久々の登山であったが、歩くことにかけては自信があったので最後方を歩いた。従って、御庭番は、本日の殿番であるエミリー(美人)と歩くことに。エミリーはニュージーランド出身の、所謂”キーウィー”で、鳶色の瞳のスレンダーな美人ガイドであった。


「It sees, and duck's wing. 」


暫く御庭番が歩いていると、エミリーが不意に後ろから声を掛けてきた。御庭番は気が付かなかったのだが、平坦なコースの傍らの草むらに、鴨の羽が落ちていたのである。


『随分、羽が落ちておるな。ここで獣に食われたのかな?』


「No, there is no carnivorous animal in New Zealand. The wing was repaired here. 」


『?・・・お主日本語が判るのかね?』


「ワタシ、キュシュースンデイマシタ。・・ベンキョウアマリシナイ。japanese very difficultネ」


ペロっと舌を出してそう微笑むエミリー。御庭番はこのツアーでエミリーから衝撃の一言を言われるのだが、それはまだ後の話。手にした鴨の羽を帽子に括り付けて御庭番は再び歩き始めた。


本日の宿であるグレイド・ハウスまでは平坦な林道が続き、まだ湖の近くであるので、期待していた自然の美しさも鳥の囀りも無い。しかし、空気は日本の都会とは比べ物にならない程清清しく、お江戸の汚れた空気にうんざりしていた御庭番にはこれだけでも十分満足な環境であった。グレイド・ハウスはすぐ目と鼻の先であることは判っていたので、ゆっくり歩いていたのだが、すぐに前を歩いている老人二人に追いついてしまった。一人は鼻髭が如何にもガイジンらしいカイン。もう一人も鼻髭を蓄えているが、こちらは年齢の割にはヤンチャ坊主みたいなオジサンのイアンである。御庭番は少しペースを落して歩いたが、カインとイアンが立ち止まって道を譲ってくれたので先に行くことに。エミリーは老人二人の面倒を見なければならないので、最後方を歩いた。




そこから小半刻もしない内に―。





グレイドハウス

本日の御宿に到着。



ここ、グレイドハウスは、クリントンリバーの畔に開けたコテージ風の建物である。今回の四泊五日のトランピングは、毎日この様なロッジに宿泊するのだが、各ロッジには食堂と共用のトイレは勿論、シャワー室や乾燥室まである。グレイドハウスは過去4回程火災に遭って建て直したのだとクリスが言っていたが、前回の火事の時は乾燥室が原因らしい。御庭番がクリスに割り当てされた部屋行くと、後からイアンとカインが入ってきた。今日は彼らと相部屋である。


部屋に荷物を降ろし、全員軽装のまま再び外へ。この日は早く到着したので、ガイドの案内でネイチャーウォークをするのである。銘々が四人のガイドに分散したが、トモヨちゃんには当然のことながら、御庭番を含む日本人ご一行様で固まった。


トモヨは流石ガイドだけあって、様々な植物や動物に詳しかった。平坦な道を歩いて来たが、このネイチャーウォークは結構な急勾配を昇り降りする。途中、イタチの罠があった。ニュージーランドのイタチは外来種であり、本来鼠等の疫病を持つ小動物を退治する為に連れて来られたものであるが、逆にニュージーランドの固定種であるキゥイやウェカ等の飛べない動物を襲ったり、卵を食べたりするので、逆に駆除されているのだと言う。一行はトモヨの後にくっついて林の中を歩いて行くと、やがて渓流に出た。今日のネイチャーウォークはここまで。御庭番は持ってきた携帯灰皿を手に一服すると、沢の水を飲んだ。初夏のこととて、雪解けの水は冷たく、汗をかいた身体に心地良かった。



「帰りは気侭に帰って下さい。」


と言うトモヨの言葉に従い、御庭番は独りで登ってきた道とは違う下山道を下ることに。踏み跡も乏しく、日本の登山道の様に目印のテープも無い林道を歩いて下ると、やがてグレイドハウスの乾燥室の建物に出た。昨年火災の原因となった乾燥室は、ロッジと棟が分かれて建て直されていたのである。御庭番は本日の宿泊部屋に戻り、夕食まで少々時間潰し。グレイドハウスのロッジには、ここミルフォードトラックを開拓したドナルド・サザーランドやクインティン・マッキンノン、アーネスト・ミッチェルの写真や開拓の遺品、歴史的文献のレプリカを展示した記念館の様な物がある。多くの日本人が訪れている為、壁の掲示ボードには日本人のカキコミが一杯あった。



夕食までの間は、コーヒーや紅茶、ハーブティー、果ては緑茶やオレンジジュース等で寛ぐのだが、これも飲み放題です。実に至れりつくせりなのだが、アルコールのみ有料。御庭番はニュージーランド産のビール・SPIGHTSを片手に夕食を待った。今日のメインは鹿肉のステーキ。ニュージーランドと言えば羊ばっかり食っているイメージがあるが、実際には羊は年々減ってきており、最近では比較的飼育し易く、単価も高く売れる鹿肉の需要が高まっているのだと言う。御庭番は鹿肉初体験でございます。


夕食までの半刻を御庭番はビールを飲んで時間を潰し、夕食を待った。





ぺろり



トランピングツアーはコースの日程・宿泊場所を、DOC(環境保護省)の管理下で定められたスケジュールを守って歩かなければならない。当然就寝の時間や食事の時間もキッチリ決まっていて、御庭番達が夕食にありついたのはまだ外が明るい19:00頃。昼飯を中途半端に終わらせてしまったので、御庭番は飢えていた。


夕食は自然と日本人同士で集まり、この旅始めてツアーに参加したもう一組の日本人夫婦と会話をした。大阪から来たRYOTAROさん夫婦である。MASAJIさん夫婦と共に食事した際に昨夜のデキゴトを説明したら爆笑されて打ち解けることができましたよ。そこまで身を削って打ち解ける必要も無かったけど(T▽T)。



さあ、お待ちかね―。



鹿肉四つでシカシ・・・


鹿肉のステーキ登場でございます。






それでは・・・






いっただきま~す。




( ̄ー(  ̄ )はむはむ。。。







( ̄ー(  ̄ )はむ・・・






・・・(--;)う~ん






なんて言ったらいいんですかね・・・






ちょっとビミョーな味ですね。




決してマズくは無い。山小屋でこんな豪勢な食事ができることを考えると、仮に若干肉が古かったとしても十分過ぎる味である。ただ、新鮮なレバーを食べていると思うにしても(実際牛肉や豚肉よりも肉質に歯応えが無く、少々臭います。まあ、新鮮な鹿肉はまた違うんだろうけど)この物足り無さ感は何なんでしょうか。御庭番以外のMASAJI嫁以外のニッポンジンも全員鹿肉のステーキを選んでいますが、何か言いたそうです。






(・・・・何が足り無いのだろう(--;)。。。?)






さてさて、人生初の体験である鹿肉のステーキに、御庭番は如何にして対峙するのでありましょうか、続きは次回をご覧下さい。





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最終更新日  2007年12月25日 02時47分47秒
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