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July 11, 2007
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カテゴリ:メイクのお話
東京であったコンテストが終わり、帰って来ました。

帰って二日、とても眠くて、寝てばかりです。もちろん、お仕事は行っていますよ。
たぶん、エネルギーを使ったのですね。
東京の街も、名古屋とは違います。
綺麗なもの、心地のよいものとそうでないものが、おもちゃ箱をひっくり返したようにあるんですね。



さて、コンテストですが、入賞とはなりませんでした。
とても残念ですが、当たり前とも思いました。


舞の作品は、綺麗なものが出来ましたが、無難にまとまった感が残ります。大勢の心を打つまでには、自分が育っていなくて。。。
準備や気合、そして人生の深みも足りなかったようです。
”グランプリ”に輝いたのは、ある程度の年齢の方でした。とても若くお見受けしましたが。
メイクを20年以上しているそうです。
小娘舞子、まだまだでしょう~~~!


総評の中でも、「その人の人生もにじみ出ている」といわれていました。
まさしく、人生の深みを感じられます。
フジコ・ヘミングのピアノのように。


ちなみに、舞は、総評の中で、ありがたいことに名前を出していただきました。
「企画書だけなら、舞さんにグランプリをあげたい。メイクに、文学・言葉はとても大切です。」と。
ありがたいことですね。
その企画書に書いた事が、表現できる自分を目指したいと思います。

今回の企画書は、自分でも”詩”を書いたのですが、あえてそれをやめ、一節だけ残しました。三好達治の『測量船』の中の「郷愁」という詩を引用させていただきました。この詩に出会ったとき衝撃をうけました。舞の言いたいことが、この2行に集約されていたのです。




*****企画書の一部******



テーマ・生命と自然 『海』

Le mer ~ Joie De Vivre  海~生きる歓び



海よ 僕らの使ふ文字では、お前の中に母がいる
そして母よ 仏蘭西人の言葉では、あなたの中に海がある


(三好達治 「郷愁」より)
*フランス語で、母は「mere」、海は「mer」。どちらも同じ発音。



-中略(人間が生む環境汚染のことなど)-

海(母)が生んだもの、全てのものは、海(母)へ還る。
一羽の鳥が警告を告げる。母の命にも限りがあると・・・。
しかし、海は、ひたすらに美しくあり続ける、地球上の生命(子供達)に、生きる歓びを、希望を与える為に。

グラフィー(作品のモチーフとなる写真や絵を用意しないといけません)をもとに、まだ世が明けきらぬ空と海に母の悲しみを、朝陽が差す空と海に、母から与えられた生きる歓びを表現する。
今こそ私達は、海(母)への畏敬の念と愛情を持ちたい。

-後略(メイクの解説)-



****************

企画書は、要求されなくても、作品作りの時には書いています。
「詩」や「物語」を付けて。
今回の中では、「一羽の鳥が警告を告げる」・・・これが、舞が作った詩の一節です。
詩と引用の詩と二つ並べるのは、的がぶれるでしょ?


メイクに関しては、審査員の先生方から、「透明感が出ていて、綺麗でしたね。」や「自分は、入賞すると思っていましたが、かなりいい点付けたのですよ」と、嬉しい評価もいただきました。モデルさんも「私は、このメイク好きです」と。

大勢の心を打つまでには、まだまだなのです。


自己の反省点は、”母の悲しみ”の深さを表現できていない。自分自身が受け止められる器量が無く、それを作品として出せなかったことです。
ダークなもの悲しいものをしっかり見つめ、受け止めることが出来るようになるまで、どんな色を加えたとしても、それではだめなんですね。


ただ、少なからず、企画書や透明感の評価をいただいたのは、とても励みになりました。
その他、反省することもありますが、それとともに、また次回挑戦しようという励みになっています。



まだ、身体は休息を望んでいるようですけど、心は、一歩先に進みました。
この数日間のお陰で、今まで、ある芸術作品を見ても何も感じなかったのに、ぐっと迫るものを感じられるようになりました。

不思議ですよね。
こうやって、心や感性って成長するんですね。











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Last updated  April 7, 2012 06:43:20 PM
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