認知の誤りについて
2014年2月号の生活の発見誌より。認知行動療法では、自動思考という概念を用います。自動思考というのは、私たちが体験したときに反射的に出てくる考え方の癖のようなものです。1、「かくあるべし」思考 自分の引き受けた仕事が負担になってきた。自分から引き受けたのだから弱音を吐くべきではないなどと考えること。2、プラス面を無視してマイナス面しか考えない。アンケートをしたら好意的な評価が多かったが、ごく一部に批判的な意見があった。批判的な意見ばかりにとらわれて右往左往する。3、心の読みすぎ。 友人に何度か電話をしたが出なかった。居留守を使っているに違いないと勝手に想像する。4、自己否定する。 親睦会の幹事をしたが参加者が少なかった。私が幹事をしたからだ。5、完全主義的思考 朝6時に起きるつもりだったのに、7時半になってしまった。今日一日がダメになってしまった。6、マイナス化思考 今の仕事は向いてますよねと言われた。自分の学歴でこの仕事では情けないと思った。7、拡大解釈 会議の集合時間に遅れた。みんなの信頼をなくした。このほかにも、「先読みの誤り」「感情の決めつけ」「過度の一般化」などがあります。認知行動療法では、違った角度から別の考え方はないのかを探っていきます。1、 そう考える根拠はどこにあるのか。逆の事実はないのか。そのことを考えることによって、少しずつ思い込みから解放されて考えが現実的なものになる。2、 結果について考える。だからどうなるというのだ。それが本当だとして、どんなひどいことが起きるのだろう。最悪を予想して、覚悟を決める。3、 代わりの考えを探す。現実的で柔軟な考え方を見つける。森田理論学習では認識の誤りというものです。劣等感的差別感、部分的弱点の絶対視、劣等感的投射、防衛単純化、手段の自己目的化なども併せて学習しましょう。まず私たちは現実を無視して、ネガティブに、すぐに飛躍して、突拍子もない考えを持ちやすいということを自覚することから始めましょう。そして具体的な例をもとにして、集談会などでぜひ話し合ってください。最終的には、思い込みを排して、客観的に両面観から見る癖をつけましょう。