白と黒の見方について その2
神経質者が物を見て価値判断しているということは、事実からは大きくかけ離れているということだ。第三者からするととても違和感がある。自分も苦しいが、他人にも無茶を押し付けることになる。もし白と黒の極端な見方しかできない人は、白と黒の間にはグレーという中間色があるという認識を持つ必要がある。集談会などで認識の誤りを自覚する学習が必要である。そしてそのグレーにも様々な濃淡のあるグレーが存在するという認識まで高める必要がある。するとどうなるか。実は白だ、黒だと決めつけていたことは、幾層にもわかれているグレーの層が広がっていただけだったのだと分かってくる。すると柔軟な対応ができる。今まで油の切れた歯車を無理やり回して、傷だらけになっていたものが、潤滑油がたっぷりあってなめらかな回転を取りもどすことができたのだ。現在昔の白黒写真をカラー化する技術が確立しているという。その原理は、グレーにも様々な濃淡があり、その濃淡の差は色彩の差であるということを利用しているそうである。つまりカラー化というのは、グレーを細かく分析して微妙な濃淡の差を色彩に置き換えているということなのである。この技術はグレーの分析なしにはなしえなかったことである。