歯医者に行って気づいた事
20年ぶりくらいに歯医者に行った。きっかけは左の奥歯の1本が沁みる様になったのである。神経を刺激してチクチクした痛みがある。診察を受けてみると思いもかけないことを指摘された。・全体に歯石がついている。・歯茎に発赤、出血、腫れがある。・上の奥歯の頬側に歯ブラシが届いていません。・虫歯が2本ある。・ただ歳の割には歯がそろっている。グラグラした歯はない。・2本の親知らずは役に立たないので抜いた方がよい。私は元々歯が丈夫であるというのが自慢であった。それに慢心して、歯の手入れに関しては無頓着であった。歯磨きも朝晩しているが2分か3分くらいで終わらせていた。歯科衛生士の人が言うには、シュミテクトを使っているのなら最低5分くらい磨かないと効果はないということだった。下の裏側を2分、表側を2分、上の裏側を2分、表側を2分くらいの気持ちで、ていねいに心を込めて磨くことを心掛けてください。それと歯石は誰でもたまるので、ほとんどの人は定期的に歯医者でメンテナンスをしているのが普通ですということだった。寝耳に水とはこのことを言うのだろう。元々歯が丈夫だということに慢心して、歯については感謝の気持もなく、気にかけて大切にするという気持ちが抜け落ちていた。丈夫な歯を持っていることが当たり前だったのだ。また丈夫な歯を与えてくれた親に感謝する気持ちもわいてこなかった。それどころが、神経質性格者に生んだ親を憎んでいたのである。片手落ちも甚だしいと言わざるを得ない。そういえば集談会で、朝食と夕食後に歯を丁寧に磨くことを森田実践としている人がいた。今考えると素晴らしい実践課題だと思う。ただそれを聞いたときは、あまり共感はできなかった。「親孝行したいときに親はなし」という言葉がある。歯については、歯を痛めた時、歯を失った時に初めて大切さがわかる。そのときに初めて気づいたというのは後の祭だ。私は髪が少ないのが劣等感だった。そちらの方にエネルギーを使っていた。今思えばそこに注意や意識を向けるよりも、虫歯を防止すること。歯石のメンテナンスをすること。丁寧に磨くこと。いつも気にかけてあげること。そして健康な歯を与えてくれた親に感謝すること。いつまでも歯と仲良く付き合っていく方がよほど意味のあることだった。今持っているものにより多く光を当ててさらによりよくしていくこと。森田でこのことをよく学習したはずであったが、灯台下暗しとは自分のことを言うのだろう。これからは気を引き締めて、自分に元々備わっているものに磨きをかけることを目指していきたい。