ネガティブな先入観、思い込み、決めつけが窮地を招く
村上和雄氏のお話です。ある不眠症の男性が、医師から睡眠薬を処方されました。そこで医師から、「この薬は1回に5錠までです。それ以上一度に服用すると、体の調子を崩します」という指示を受けました。しかし、この男性はあるとき50錠もの睡眠薬を一度に飲んでしまったのです。するとやはり体調をくずし、あまりの苦しさで意識朦朧としながら救急車を呼び、通院していた病院に運ばれました。そして、手当てを受けていると、担当医がやってきてこう言ったのです。「○○さん、じつは、あの薬の指示は私の間違いでした。あれは何錠飲んでも体には負担になりません」この言葉に男性はびっくりして、とたんに元気を取り戻し、そのまま歩いて帰ったというのです。自分はダメだ、と思ったら本当にその通りに具合が悪くなる。自分は大丈夫だと思ったら、なぜか具合がよくなる。「病は気から」というのは、「気のせい」ではありません。実際に自分が目の前の事実をどう受け取るか、どう感じるかによって、病気の遺伝子をオン/オフにしているのです。また、日頃から何かにつけて「自分はダメだ」と自分に対して否定的な生き方、考え方をしていると、いい働きをする遺伝子がオフになり、病気の遺伝子がオンになってしまいます。それは本当にもったいないことです。思い込みでもいいので、「自分は大丈夫」「生きているだけで丸儲け」とバカになって信じてみてください。それだけでも、きっと自分の内側から元気になっていくのを感じられるはずです。(どうせ生きるならバカがいい 村上和雄 水王舎 168ページ)病気になるかならないは遺伝子の働きによります。遺伝子は設計図のようなもので、人間にはその設計図が21000個あるそうです。よい遺伝子のスイッチをオンにするのか、弊害をもたらす遺伝子のスイッチをオンにするのかは、あなたの生き方、ものの見方、考え方が大きく影響しています。森田理論を深耕し、実生活に活用・応用すれば、きっとよい遺伝子のスイッチがオンになると信じています。