自分の身体は借り物という考え方
自己肯定感を高める方法をご紹介します。樹木希林さんの考え方が参考になります。樹木希林さんは自分の身体は神様から預かっているものだと言われました。レンターカーや市民菜園を借りているようなものだ。この身体は自分の所有物ではないと言われています。同じような考え方は、「荘子」の「知北遊」篇にもある。「人間の肉体は誰のものでもない。ひととき預けられたものである」人間の身体も皆、自然界からの借りものであって、いずれは返さなければならないものである。(菜根譚 ナツメ社 156ページ)どこにその証拠があるのかと言われるとお手上げです。しかし自分の身体は自分の所有物ではなく、一時的に借用しているものという考え方は、その人のものの考え方や生き方に大きくかかわってきます。メリットが多くなります。仮にこの考え方が間違っていたとしてもデメリットは見当たりません。一時的にレンタルしたものは自分の所有物ではありませんから、粗末に扱うことはできません。借りたときの状態をより長く保つ責任が出てきます。賃貸住宅の場合は、使い勝手が悪いからといっても、家主の承諾なしにリフォームをすることはできません。またお返しするときは、原状復帰義務が課されています。レンタル期間中に事故を起こした場合は、損害賠償をする必要があります。市民菜園の場合は、借りたあと堆肥などを入れて土壌改良をすると喜ばれます。人間に生まれた我々は、知的生命体として生まれたことに感謝以外はありません。生まれた国、生まれた時代、生まれた環境、生まれた境遇などを否定することはなくなります。人と比較して自分自身を否定することもなくなります。借りたものの特性を活かして、価値のある新しいものを作り出したい。自分のできる範囲内で人のお役に立ちたいと思うようになるのではないでしょうか。これは森田理論の「物の性を尽くす」という考え方に近いものがあります。この考え方は、「己の性を尽くす」「他人の性を尽くす」「時間の性を尽くす」「お金の性を尽くす」ことにもつながります。命ある限り、持って生まれた素質、能力に磨きをかけて、とことん活かし尽くすということです。事実や現実をあるがままに受け入れて、生きてきたあかしを一つでも残すことができれば本望です。