カテゴリ:森田理論の基本的な考え方
1989年(平成元年)に雑誌「DIME」(小学館)が、NEC、キヤノン、東芝、富士通、松下電器(現パナソニック)などの企業に「ワープロは、いずれなくなるのですか?」という質問をして、その回答をそのまま掲載している。
その回答内容が面白い。 ある企業担当者曰く。「5年前、パソコンの普及率は100万台、今は120万台と伸びは緩やかです。一方、ワープロは30万台が280万台にまで伸びています。この数字だけを見ただけでも、パソコン社会よりもワープロ社会到来の方が早いと考える材料になります」 別の企業は「ワープロがパソコンに取り込まれることはないでしょう」「将来的にはワープロ10に対してパソコン1ぐらいの割合になるでしょう」などと回答している。 あれから35年。ワープロはほぼ駆逐されてパソコン全盛期を迎えています。 その当時誰もワープロがパソコンに駆逐されるとは思ってもみなかったということです。 予想は完全に外れました。今では誰でもわかるようなことを当時時代の最先端にいた人たちがどうして予測できなかったのでしょうか。 ワープロは文章作成専用機としてこの先も残っていく。 ワープロとパソコンと共栄共存の時代がやってくるなどと頓珍漢な見通しを持っていたのです。 このように時代の変化を見誤り、そこに固執してしまうとその後大変なことになります。 もし仮にワープロにしがみついて会社経営を行っていたとすれば、その会社の将来はありません。 過去や現在の状況に満足して変化への対応を怠ると命取りになるということが分かります。 現在の状況に満足して現状維持で生活している人は、自分が成長できないだけではなく、時代から取り残されてしまうことになります。 森田理論では、変化対応力を鍛えることが目標の一つとなります。 目の前の変化に注意や意識を集中し、変化の兆しが見えたら素早く変化に対応する方向を目指しています。 今の時代の大きな変化はAI(人工知能)の進化だと思う。 これは変化に注目している人は誰でも口にするようになりました。 You Tube動画でもいくらでも紹介されています。 AIの進化は今後10年くらいで想像を絶するほど変化することが予想されています。 人間は一度覚えたことをすぐに忘れてしまいます。 忘れては困ることは何度でも繰り返して記憶を定着させようとします。 これからはそんなことをする必要がなくなります。 AIは人類が蓄えてきた膨大なデータを自ら収集して項目別に分類・整理している。 AIは必要なときに必要なデータを応用活用することができる。 膨大なデータをどう組み合わせて応用・活用すればよいのかを瞬時に分析することができる。 囲碁や将棋の世界では、プロの棋士がAIに勝つことが難しい時代がやってきたのです。 そのデータを使って問題解決のための最適な対応策を示してくれる。 またAI自身が問題解決のために自ら動いてくれる。 AIが人間の苦手とすることをほぼ肩代わりしてくれるのである。 面倒なこと、煩わしいこと、細かいこと、単純な事務作業、機械作業、危険作業、物流・移動、データ解析、分析作業、文章作成、翻訳、通訳、報告作業、新規事業、意思決定などあらゆる場面でAIが活用されるような時代がやってくる。 AIは人類にとって危険な面もあるが、もうすでに動き出しているので後戻りはできない。 私たちはその変化を常にウォッチして、変化対応を心がけていくしか手がない。 最近Google gemini、マイクロソフトのCopilotの話をよく聞くようになった。 対話型AIというものである。私も実際に活用させてもらっている。 とても重宝している。しかも基本的に無料です。 知りたいことや疑問点、解決したいことはリアルタイムで回答してくれる。 変化は始まったばかりだが、急激に右肩カーブを描いて進化することは疑いようがない。 今のような変化の激しい時代では、変われない人、変えられない人、変わることを恐れる人は、リスクの多い世界で生きることになります。 時代に取り残されないように、AIの変化から目を離さないようにしたいものです。 (50歳からのゼロ・リセット 本田直之 青春出版社 参照) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2024.07.14 06:20:07
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