カテゴリ:森田理論の基本的な考え方
昨日の続きです。
2は心のよりどころとなる精神的支柱を確立している人です。 フランクルは過酷な強制収容所で祈りや礼拝を欠かさない人に注目しています。 殺伐とした日々の中で、祈ることを忘れず、感謝することを忘れない精神の持ち主は、生きのびる確率が高かったのです。 医療の世界でも、特定宗教の信仰を持ったり、特定の信仰はなくても、人間を越えた崇高な何か(スピリチュアリティ)のつながりを大切にする人のほうが、そうでない人よりも、寿命が長いことが多いとしばしば指摘されます。 収容所の生活では、さらにはっきりとこの事実が示されたのです。 精神性が高く、豊かな人は、どんな状況にあっても、それに支配され押しつぶされてしまうことがなく、内面的な精神の自由さと豊かさという「もう一つの世界」への通路が開かれていたからである。 (100分で名著 フランクル 夜と霧 諸富祥彦 要旨引用) ここで考えてみたいことは、森田理論が精神的支柱になりえるのかどうかということです。 私は森田理論が神経症を治すという側面は、森田の理論体系全体から見るとごく一部ではないかと考えています。 残りの部分は神経質性格を持っている人の生き方や指針を具体的に提示している部分が大きいと思います。 私たちは森田を学ぶ前は神経症以外にも生きづらさを抱えて苦しんでいました。 そしてアリ地獄の底に落ちたような状態のときに森田理論に出会いました。 そして多くのことを学びました。 たとえば、不安には役割がある。不安には現実的な不安と神経症的な不安がある。 森田理論学習によって、不安と欲望の関係が理解できました。 そしてまた欲望の暴走は身の破滅を招くことを学びました。 次に、人間は言葉をあやつり、大脳の前頭前野が発達したため、物事を観念で処理するようになりました。 現実や事実を軽視、無視するようになり葛藤や苦悩でのたうち回るようになってきました。 その他森田理論学習により、神経質の性格特徴、感情の法則、認識の誤り、行動の原則などを学びました。 「あるがまま」「純な心」に代表されるような森田的な考え方や生き方を学びました。 物の性を尽くす、己の性を尽くす、他人の性を尽くす、時間の性を尽くす、お金の性を尽くすことも学びました。 変化への対応、バランスや調和を重視する考え方や生き方も学びました。 それから波及して、仕事との付き合い方、日常生活の取り組み方、人間関係の改善方法、子育ての取り組み方、心身の健康維持などについても学びました。 それ以外にも学んだことは数多くあります。 これらの考え方は私たちの血となり肉となってきました。 今では多くの人が仕事や生活に応用・活用しています。 これらは森田理論を深耕した人の精神的支柱となっているのではないでしょうか。 森田の理論学習を続けてきたおかげで、将来に展望が持てるようになりました。 人生90年時代に突入していますが、悩みを抱えることはあっても、苦悩でのたうち回ることはないと思えるようになりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.08.06 06:49:02
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